出典:シマノ
シマノのムーンショットは、超定番のショアスタンダードロッドとして、ビギナーからベテランまで長く愛されてきた名作シリーズです。
シーバスゲームを始めとして、サーフゲーム、ライトショアジギングなど、ショアからのルアーフィッシングを幅広く網羅するラインナップとなっています。
そのコストパフォーマンスの高さは素晴らしく、初級〜中級の方が使うロッドとしては申し分ないスペックを誇ります。
ワタシも現行ムーンショットをサブロッドとして愛用していますので、詳しい外観や、その使用感、使い道などなど、詳しくご紹介したいと思います。
ムーンショットとは
まずはシマノホームページから、キャッチコピーと説明文をご紹介します。
クラスを超越する定番ショアロッド。本格的なフィーチャーを全身にまとって生まれ変わった、新たなショアスタンダード「ムーンショット」。ブランクスには「マッスルループ」構造を採用、オールSiCのガイド設定、オリジナルシート&疲労を軽減する段差を排除したフード設計など、クラスを超えたハイスペック。シーバスをはじめヒラメ、小型青物まで、高次元のゲーム展開が可能。
出典:シマノ
実売13,000円前後のロッドなのですが、このクラスとしては大満足なスペックです。
ブランクス…マッスルループ
ガイド…オールSiC ステンレスフレームKガイド
グリップ周り…段差排除のフード設計
と、各セクションにキラリと光る機能を備えます。
ラインナップ
Lモデル、MLモデルはシーバスゲーム対応モデル、Mモデルがシーバスのパワーゲームに加えて、サーフ、ライトショアジギングにも対応するモデルとなります。
S900L
テクニカルゲーム対応モデル
小型ミノー、トッププラグ、小型バイブレーションやシンキングペンシルなどに適応。ベイエリアや河川、干潟のウェーディングゲームなど、オープンエリアで活躍する、しなやかで喰い込みに優れたモデル。
出典:シマノ
S806ML、S900ML、S906ML
シーバスシーンの中核を担う基本モデル
小技が要求されるテクニカルシーンから、一定の飛距離が求められるフィールドまで、幅広いルアーに対応し、高い汎用性を発揮するモデル。扱いやすいロッドレングスで、最初の1本としてもベストセレクト。
出典:シマノ
S906M、S1006M
大場所やランカーに照準をあわせたパワーモデル
ハイパワーを生み出すMモデルはサーフや大河川、重量級ルアーの遠投が求められるシーンに加え、ライトなショアジギングまで対応。大型シーバスはもちろん、ヒラメや小型青物まで適応する信頼のパワフルモデル。
出典:シマノ
スペック
主なスペックを表にまとめます。
このクラスとしては充分すぎる自重です。
ルアーウェイトも幅広く、軽快に遊べます。
全長(m) | 仕舞寸法(cm) | 自重(g) | 適合ルアー(g) | |
S900L | 2.74 | 141.0 | 125 | 5〜21 |
S806ML | 2.59 | 133.3 | 125 | 6〜28 |
S900ML | 2.74 | 141.0 | 134 | 6〜28 |
S906ML | 2.90 | 148.6 | 142 | 6〜28 |
S906M | 2.90 | 148.6 | 167 | 8〜42 |
S1006M | 3.20 | 164.0 | 186 | 8〜42 |
ワタシ所有のムーンショット
実際にS906Mを所有していますので、各パーツの外観(写真)と、ロッドの使用感をご紹介します。
ルアーウェイトは8g~42g。この幅広さでかなり使い勝手のいいロッドとして重宝しています。
では、さっそく詳細のご紹介に移ります。
外観
グリップ
まずはグリップ周りから見ていきましょう。
全体のデザインはこんな雰囲気です。
凝った感じはありませんが、なかなかスタイリッシュなシェイプをしています。
セパレートグリップで、素材はEVAグリップですね。
グリップ上部から見ていきましょう。
シルバーの金属パーツが印象を引き締めてくれます。
続いて、リールシート周りです。
SHIMANOの刻印が入っていて、雰囲気があります。
リールの固定は、下から締めるタイプです。
ここにもシルバーの金属パーツがさりげに入ってカッコいいですね。
さらに下に目を向けて、セパレート部分です。
SHIMANOの文字が入ってます。
セパレート部分はEVAとの境目が上下ともシルバーの金属パーツ。
これがあるとないとじゃ、デザインの引き締まり具合に結構差がでるんじゃ?と思います。
グリップ部分の最後はエンドグリップです。
丸みを帯びたデザインに、1本ラインが彫ってあります。
オーソドックスかつ、王道ではないかと思います!
ブランクス
続いてブランクスを見ていきます。
マッスルループ構造※のブランクスです。フォアグリップ側のモデル名などが印字されている部分は暗い紺色のカラーリングですが、そこを隔てるスレッドからティップ側は全てブラックです。
※マッスルループとは
軽さと強度の両立が必要な分野で用いられる独自構造。カーボンブランクスの最外周をシマノインフィニティカーボンテープで密巻きすることで、ブランクス構造の真円性を高めることができ、強度の安定に貢献します。
出典:シマノ
波打ったようなブランクスの質感です。この波打っているところからは全てブラック塗装。やや光沢があるメタリックブラックのような感じです。
ガイドはステンレスフレームKガイドで、ガイドリングは全てSiCリング。
オールSiCリングというところが非常に嬉しいですね。
ラインの滑りもよく飛距離が出ます。また、硬度も非常に高いので、キズを気にする必要がありません。
独特の光沢があり美しいです。
Kガイド採用ですから、PEラインの使用でも糸絡みのトラブルは少ないです。
スレッド周りも美しく仕上げられていますよ。
ロッドティップももちろんステンレスフレームのSiCガイドリング。ティップまわりの細い部分でも、スレッド周りの仕上げに問題なし。
外観のご紹介はここまでです。
1万円ちょっとのロッドとしては、非常にしっかり造り込まれたロッドというところが伝わりましたでしょうか?
使用感
どちらかと言うと、しなやかさが前面にでたロッドだと感じます。
感度がいいというよりは、ノリの良さと、掛けたあとのバラしにくさが強みでは?と思います。
シーバスのパワーゲームやサーフゲーム、ライトショアジギングを意識しているだけに、大型ミノーやジグヘッドを遠投して巻く釣りや、メタルジグを遠投してのワンピッチジャークを基本にするような釣りに対応しています。
魚を掛けたあとは、どうしてなかなかのトルクを発揮します。
60センチくらいのシーバスなら、結構ラクに寄せられますよ。(もちろんリールの性能にもよりますが)
ここまではワタシ所有のMモデルの使用感ではありますが、L・MLのモデルもブランクス自体は高感度なカーボン・製法を採用しているとは思えないので、どちらかと言うとノリのよさと粘りのあるロッドではないかと思います。
ムーンショットが初級者〜中級者向けのロッドであること、巻きの釣りが多いシーバスゲームがメインということを考えると、それが正しい方向性と思います。
スペック・デザイン・価格を総合的に考えて、非常に完成度の高いコスパ抜群のロッドと言えます!
ムーンショットにおすすめのリール
シマノのロッドですから、基本はシマノのリールをおすすめします。
L、MLのモデルはC3000番クラスか3000番クラス。Mのモデルは3000番クラスか4000番クラスが妥当でしょう。
ムーンショット自体が高級ロッドではないので、合わせるリールもお値打ちリールとミドルクラスリールからご紹介します。
お値打ちリール
シマノのバリュープライスリールから、セドナをおすすめします。
実売5,000円前後で購入することができるかなりお値打ちなリールですが、HAGANEギア採用で長く付き合っていけるリールになっています。
シマノの実売1万円以下のリール(アオリスタBBなど特殊なものを除く)は5機種あるのですが、費用対効果のパフォーマンスが最も高いのはセドナだと思います。
(ちなみに5機種とはナスキー・サハラ・セドナ・ネクサーブ・アリビオを指します)
【関連記事】
ナスキー、サハラは個人的には中途半端感を感じてしまいます。
セドナのスペックだともの足りない場合は、思い切ってミドルクラスリールを検討するのがおすすめですよ。
ミドルクラスリール
この記事では、ミドルクラスリールの定義を実売10,000円〜29,999円までのリールとします。
ミドルクラスになると選択肢は一気に増えます。
その中から、3機種ご紹介します。自分のスタイルに合わせてご検討してください。
■おすすめ① ストラディック
ムーンショットに合わせるなら、ある意味最も王道かもしれません。
基本性能が高い、質実剛健でバランスの良いリールです。
ベアリングの数の多さやワンピースベール採用など、シマノの実売10,000円以下のリールと比べると一気に質が上がります。
価格も1万円台半ばですから、非常におすすめです。
1つだけ留意点ですが、現行ストラディックは2015年に登場したので、そろそろモデルチェンジの時期かもしれません。(シマノリールは4年周期でのモデルチェンジが多い)
新モデルが好きだ!という方は要注意ですね。
シマノ (SHIMANO) スピニングリール 15 ストラディック 3000XGM
■おすすめ② エクスセンスCI4+
エクスセンスCI4+は2018年にモデルチェンジしたばかりの、シーバス専用リールです。
出典:シマノ シマノから発売されている対シーバス専用シリーズと言えばエクスセンスですよね。2018年、新たに人気リールであるエクスセンスCI4+がモデルチェンジを果たしました。この度、実[…]
全身マットブラックの塗装がカッコよく、逆にいい意味で目立ちます。
CI4+採用により、シーバスフラッグシップのエクスセンスよりも軽いという強みを持っています。
ムーンショットのL・MLモデルでシーバスゲームをするなら、エクスセンスCI4+も選択肢としてアリだと思います。
そこそこのサイズの魚を掛けたときを考えると、ロッドの性能よりリールの性能を重視した方が穫れる可能性は高くなると思います。その点、エクスセンス譲りのドラグ性能を持つエクスセンスCI4+なら安心です。
■おすすめ③ サステイン
最後はサステインをご紹介します。2017年の秋に新登場したリールです。
非常に高いレベルでまとまったバランスのいい基本性能が特徴です。
サステインより上位モデルで、過去来シマノの高級リールの一角であるツインパワーシリーズの最新モデルXDとほとんどスペックに違いがないにも関わらず、その価格差は1万円ほど安いという、非常にお買い得感の強いリールです。
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ムーンショットのMモデルで、シーバスゲームの他にライトショアジギングやサーフゲームも視野に入れるなら、こちらのリールも検討するのがおすすめです。
さいごに
ムーンショットという言葉の意味はご存知でしょうか?
実はアポロ計画に由来します。(1960年代のアメリカの計画で月面に人類をロケットで送り無事に帰還させることが目的)
困難を伴うが、実現すれば大きなインパクトがもたらされる…というものです。
こう聞くとなかなか大げさですが、いい名前をつけてもらってますよね。
ムーンショットは、かなりお値打ちな価格設定にも関わらずその基本性能の高さは素晴らしく、ショアからのルアーゲームがかなり幅広く楽しめる、本格派ロッドです。
もしかしたら、この価格でもここまでスペックを充実させる!というシマノの挑戦なのかもしれませんね。
最初に購入するシーバスロッドを探している方には非常におすすめできます。
この価格設定ですから、自分のメインのシーバスロッドと異なるタイプのムーンショットをサブロッドとして持つのもいいですね。
もちろん、ちょい投げやサビキも余裕でこなせます。
このように様々な機会・用途で活かせるロッドだと思いますよ。
便利で頼りになる1本として、きっと力になってくれるはずです!
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