ソアレBBがモデルチェンジ!19モデルはブリッジライクシート搭載の本格派


出典:http://fishing.shimano.co.jp/product/rod/5891

 

シマノのライトゲームシリーズ、ソアレのエントリーモデルであるソアレBB。

実売1万円ちょっとでライトゲームを本格的に楽しめるロッドとして非常に人気ですが、2019年9月にモデルチェンジを迎えることが明らかになりました。

この秋以降のメバリング、アジングシーズンに向けて、入門者にとっては非常に嬉しい知らせですね。

今回はNEWソアレBBとソアレBBアジングを詳しくチェックみようと思います。

 

アイキャッチ画像出典:http://fishing.shimano.co.jp/product/rod/5891

概要

まずはシマノ公式ホームページの商品説明にサッと目を通してみましょう。

ソアレBBもソアレBBアジングも、全く同じことが書かれていました。

注目ポイントを赤字にしてますので、斜め読みしてください。

ライトゲームはここから始まる ソアレBB。

アジングやメバリングに代表されるライトゲーム。近年アジ・メバルだけにこだわることなく、多くの魚をターゲットとし、手軽さが売りであるこの釣りは更なる人気を博しています。ライトゲームの何が楽しいかと言えば、その小気味良いアタリを感じ、「掛かった!」「バレた!」と一喜一憂する事。つまりは感度が大事です。その為に上位機種で採用されているブリッジライクシートをこのBBクラスにも惜しげもなく採用。上位機種に比べて尖り過ぎないマイルドな調子セッティングでありながら、鋭い感度を実現しています。

出典:http://fishing.shimano.co.jp/product/rod/5891

 

赤字を抜粋すると以下の通り。

上位機種で採用されているブリッジライクシート
上位機種に比べて尖り過ぎないマイルドな調子セッティング

この2つについて少し掘り下げてみたいと思います。

特徴

ブリッジライクシート

『上位機種で採用されているブリッジライクシート』とありましたが、どういうものなのでしょうか?

結論から言うと、これはシマノのカーボン系樹脂素材であるCI4⁺を主に使って作られた軽量・高感度グリップのことを指します。


出典:http://fishing.shimano.co.jp/product/rod/5891

 

一般的なロッドは、グリップがEVAかコルクであることがほとんどですが、軽量、硬質なCI4⁺を用いることで感度向上が期待できます。

アジングでは竿を立てやすいようにダウンロックに、メバリングでは竿を寝かせやすいようにアップロックにセッティング。表面硬度を高めたことで従来素材よりも感度に優れ、さらにコンパクトな設計により、掌とリールシートとの接触面が減ることで感度がさらに向上します。

出典:http://fishing.shimano.co.jp/product/rod/5891

 

また、上記のようにリールを固定するスクリューネジを、アジングでは上から下に締めるダウンロックに、メバリングでは下から上に締めるアップロックに仕様が分けられているのも、上位モデル譲りです。

ただ、これを読んで個人的に気になったのが、なんでダウンロックだと立てやすくて、アップロックだと寝かせやすいの?ということ。

ソアレSSなど上位モデルのブリッジライクシートにはこのような記載が無かったので気にしていなかったのですが、今回、シマノがこう表現してきたということは明確な意図があるということ。

個人的にまず考えたのは、重心の位置による違いか?という仮説だったのですが、どちらかと言うとダウンロックの方が重心がティップよりになって寝かせやすく、アップロックの方が重心がバットエンドよりになって立てやすいような気がします。

このホームページ記載の文章だけを読んでいたのではよく分かりません。

ということで、個人が勝手に予測していてもラチがあかないので、例の如くシマノに直接聞いてみましたよ。

結論は以下の通り。

重心などバランス的なことではなく、形状による立てやすさ、寝かせやすさである。ダウンロックは人差し指側にボリュームがあることで小指側の掌がブランクスに近い位置にグッと握りこめるデザインになっていて立てやすく感じられる。逆にアップロックは小指側にボリュームがあることで人差し指側がブランクスに近い位置に握りこめるようになっていて寝かせやすく感じられる。

 

なるほど、実はそういう細かな部分だったのですね…。

ちなみに、アップロック、ダウンロックの違いはコチラの画像をどうぞ。

そういう目線で見れば、なるほど…という形状になっています。

 

↓ソアレBBアジング(ダウンロック)

出典:http://fishing.shimano.co.jp/product/rod/5890

 

↓ソアレBB(アップロック)

出典:http://fishing.shimano.co.jp/product/rod/5891

 

こういったこだわり的な部分は上位モデルならでは!といったイメージがありますが、入門クラスにまで搭載されていることが非常に嬉しいですね。

 

なお、ブリッジライクシートにはCI4⁺が採用されていると説明してきましたが、現時点でシマノ公式ホームページを見ていると、NEWソアレBB、NEWソアレBBアジング共に技術特性表にCI4⁺の表示がありません。

念のためシマノに確認しましたが、これは単純に掲載忘れとのこと。

 

近いうちに修正されるでしょう。

上位モデルと比べると、表面の塗装レベル、若干のパーツの違いなど、細かい部分の差別化はされているものの基本的な部分では同じCI4⁺を用いたブリッジライクシートになっているとのことです。

マイルドな調子セッティング

次項で紹介するスペック表を見て頂ければ分かるのですが、カーボン含有率バリバリの機種は少なく、やや低めのものが多いんです。

カーボン含有率を高く、パリパリのハリのあるロッドに仕上げれば感度はよくなりますが、キャストしにくくなる、魚がノリにくくなる、バラしやすくなる…という弊害もあります。

入門者にとってはピンピンに尖ったロッドよりも、トータルの扱いやすさ、オートマチックな易しさがあるロッドの方が向いていると言えます。

また、今回のソアレBBにも旧モデル同様、ハイパワーXは搭載されていません。

ハイパワーXは、シマノのカーボン強化構造です。

ブランクス最外層をカーボンテープでX状に巻き付けて、さらにネジレを抑制する“強化構造”が『ハイパワーX』。巻き付けるカーボンテープの幅や角度は、釣種やどの部分に採用するかで自在に変え、綿密に調整が施されるため、ロッドの曲がりはアングラーの意図する方向性を維持します。つまり、アクションに一層のキレ味とシャープ感を与えます。

出典:http://fishing.shimano.co.jp/product/rod/5425

 

上の画像を見ても分かる通り、ロッドの一番外側をX状にカーボンテープで締めていく技術で、これが搭載されている方がブレが少なくシャープな振り抜き感が得られたり、よりハリを感じやすいロッドに仕上がりますが、今回のソアレBBには非搭載です。

例えばセフィアBBなど、最近のBBシリーズにはハイパワーXを搭載する流れになっていましたが、今回はあえて搭載させていないということになります。

なんでもかんでも技術を搭載させるわけではなく、ロッドの特性を考えてきちんと考えられていることが分かりますね。

キャリアを積むことで、ハイエンドな高感度ロッドのメリットを最大限に活かせるようになるわけですが、このロッドがターゲットにしているのは、あくまでライトゲーム入門者や初心者です。

あえてマイルドな方向に若干シフトさせることで、総合的な扱いやすさを求めたということですね。

ラインナップ・スペック表

ソアレBB

品番全長(m)継数(本)仕舞寸法(cm)自重(g)先径(mm)適合ルアー
ウェイト(g)
  • 適合ライン
    PE(号)
  • ナイロン・フロロ(lb)
カーボン含有率(%)本体価格(円)
S70SUL-S2.132109.0690.80.4~4
  • 0.1~0.4
  • 1~3
85.814,500
S76UL-S2.292117.0770.80.5~5
  • 0.1~0.4
  • 1~4
85.615,500
S76UL-T2.292117.0771.20.6~6
  • 0.1~0.6
  • 1.5~5
86.215,000
S80L-T2.442124.7821.20.8~10
  • 0.2~0.8
  • 2~6
86.516,000

 

ソアレBBはメバリングが主な用途です。

巻きの釣りが多いメバリングにおいては、やはりノリのよさ(魚がバイトしてきた時のフックへの掛かかりやすさ)が求められます。

港湾部などのハイプレッシャーエリアでは、メバルがワームを追って咥えているだけなど、喰い自体も繊細になりやすいです。

カーボン含有率を見ると、全モデル85%前後になっていますが、これはあえて含有率を減らすことでしなやかさを出して、バイトしてきたメバルに違和感を与えにくくする他、ノリの良さを出しているということです。

ハイエンドモデルになると、カーボン含有率を高く保ちつつ、ティップの技術特性やブランクス性能、設計の違いでノリの良さもだしていけるのですが、ソアレBBの価格では当然そんなことはできません。

ですが、ソアレBBは十分軽いロッドですし、感度もメバリングをする上では水準以上のレベルであろう事は容易に想像できます。

シマノによる各モデルの紹介も転載しておきますので参考にしてください。

S70SUL-S

スーパーウルトラライト

小~中型の数釣りを楽しめるS70SUL-S。漁港や防波堤におけるアベレージサイズを想定した、シリーズ中最も柔らかいアイテム。吸い込みの弱いバイトもしっかりと追従してフッキング。掛かってからはロッド全体がしなやかに曲がって、バラシを抑制します。

出典:http://fishing.shimano.co.jp/product/rod/5891

S76UL-S

喰わせのオールラウンド

S76UL-Sはタフコンディションに対して非常に有利。重量のあるリグが苦手な反面、軽量なリグとの相性は格別です。漁港、港湾、防波堤などのスレ切った魚を相手に、アンダー1gのジグヘッドの使用も余裕でこなします。

出典:http://fishing.shimano.co.jp/product/rod/5891

S76UL-T

リグを選ばぬオールラウンド

S76UL-Tは、ターゲット・ポイント・リグを問わないオールラウンドなアイテム。軽量ジグヘッドからスプリットショット、フロートリグ、小型プラグ、さらにはメタルジグまで幅広く対応します。

出典:http://fishing.shimano.co.jp/product/rod/5891

S80L-T

遠投&パワー

大型サイズを確実に仕留めに行くのがS80L-T。磯場で掛けた際に根に潜られないだけの硬さ、足場の高い防波堤で足元まできっちり探れるレングス、遠浅のゴロタエリアでの遠投性。繊細な釣りから攻めの釣りまで幅広くこなせます。

出典:http://fishing.shimano.co.jp/product/rod/5891

ソアレBBアジング

品番全長(m)継数(本)仕舞寸法(cm)自重(g)先径(mm)適合ルアー
ウェイト(g)
  • 適合ライン
    PE(号)
  • ナイロン(lb)/フロロ(lb)
カーボン含有率(%)本体価格(円)
S64UL-S1.93299.0700.80.3~60.1~0.4/1~386.614,500
S610L-S2.082106.5700.80.5~120.1~0.6/1.5~498.815,000
S74L-S2.242114.5710.80.5~120.1~0.6/1.5~498.915,500

 

その名の通り、アジングが主な用途のソアレBBアジング。

3機種のラインナップですが、S64UL-Sと残りの2機種(S610L-S、S74L-S)とで若干方向性に違いがあります。

ここでもカーボン含有率を見てほしいのですが、S64UL-Sは86.6%、残りの2機種は98%台になっています。

これはロッドのコンセプトによる違いになります。

シマノのS64UL-Sに対する商品説明を読めば答えが見えてきます。

ジグヘッド単体での釣りが特に得意なアイテム。常夜灯周りなどの近距離での繊細な釣りにもオススメ。小型サイズのバイトを弾きにくく、抜けアタリや居食いなどの難しいアタリにもしなやかに対応することが出来ます。

出典:http://fishing.shimano.co.jp/product/rod/5890

 

基本的には港湾部等の常夜灯周りで小型アジを狙うスタイル向けのロッドなので、やはりノリの良さを求めているからこその含有率の低さということです。

メバリングのソアレBBと似たコンセプトと言えます。

対して、残りの2機種(S610L-S、S74L-S)は近年のアジングの主流である、掛けのスタイルを強く意識しています。

ハリのあるブランクスで、アタリを感じて掛けていけることを目指しているので、必然的にカーボン含有率の高いロッドになるということです。

この価格帯のロッドでも、シマノとしてしっかりコンセプトを考えてそれぞれの機種が設計されていることが分かりますね。

ソアレBBアジングも、シマノによる各モデルの紹介を転載しておきますので参考にしてください。

S64UL-S

ジグヘッドスペシャル

ジグヘッド単体での釣りが特に得意なアイテム。常夜灯周りなどの近距離での繊細な釣りにもオススメ。小型サイズのバイトを弾きにくく、抜けアタリや居食いなどの難しいアタリにもしなやかに対応することが出来ます。

出典:http://fishing.shimano.co.jp/product/rod/5890

S610L-S

掛けのオールラウンド

アジングを楽しむ為の中心アイテム。幅広い重量のリグを扱うには6’10″は非常に魅力的です。ジグヘッド・スプリット・キャロライナリグ・軽量メタルジグ・プラグ、ありとあらゆるリグを駆使しようと思うならこのアイテムを。

出典:http://fishing.shimano.co.jp/product/rod/5890

S74L-S

掛けのロングロッド

キャロライナリグ、フロートリグ、メタルジグ等による遠投攻略を得意としたアイテム。遠投性能を持ちながらも、軽快な操作性を併せ持っているのが魅力。ショートロッドではリグの動きが小さくなってしまいがちな水深のあるポイントも得意。

出典:http://fishing.shimano.co.jp/product/rod/5890

ソアレBBの魅力

月並みな表現になりますが、やはりコストパフォーマンスの良さこそ最大の魅力でしょう。

価格はかなり抑えられていますが、ソアレの上位モデルで培ったロッドテクノロジーや設計思想を踏襲しつつ作られているという点で大きな信頼感があります。

オールSiCガイドリング(ステンガイド)ですし、上位モデルで採用のブリッジライクシートまで搭載してきたのは大きな魅力ですね。

加えて、感度に大きく直結する要素としてロッドの自重が挙げられますが、今回のソアレBBも旧モデル同様、高いレベルにあります。

以下、ご参考までにソアレアジングシリーズ4グレード(BB、SS、CI4⁺、エクスチューン)の6フィート10インチモデルの自重と価格(定価)をピックアップしてみました。

品番自重
(g)
本体価格
(円)
BB S610L-S7015,000
SS S610L-S6525,500
CI4⁺ S610L-S6037,500
エクスチューン S610L-S6749,500

 

如何でしょう?

上位モデルには当然劣るものの、ソアレBBもかなりハイレベルな自重だと感じませんか?

価格も含めて考えると、かなりお買い得感がありますよね。

軽さだけで単純に見ると、エクスチューンと3gしか差がありません。

もちろん、上位モデルになるほどシマノの高度な技術が数多く投入されていますし、特にエクスチューンは感度をロッドの軽さやハリ以外の要素にも求めた意欲的なシリーズですから、単純比較はできないんですけどね。

軽さだけが感度ではない…されど軽さが感度に直結する大きな要素であることも間違いない…と言ったところでしょうか。

そういった意味で、今回のソアレBBも価格を考えれば非常に軽く、感度に期待できそうですね。

シンプルなブリッジライクシートで見た目もスタイリッシュですし、かなり人気のロッドになるのではないでしょうか?

さいごに

新しいソアレBB、如何でしたか?

ライトゲーム入門者にとってオススメなのはもちろん、本命は他の釣りで気分転換にライトゲームもちょっとやってみたいな…そんな方にもバッチリですよね。

個人的に、軽くたしなむ程度なら、ハッキリ言って今回のこのソアレBBのレベルで十分すぎるのではないかと思います。

これからライトゲームロッドを買おうと考えている方には、是非検討いただきたいシリーズです。

リアルタイムで絡みたい方は気軽にツイッターからどうぞ!!釣り好きのみなさまと繋がれれば幸いです。