セフィアSSがついにモデルチェンジを迎えます。
BBとCI4⁺の中間の、まさにミドルクラスという位置づけであるSS。
今回のモデルチェンジで、従来上位モデルの代名詞であったスパイラルXを搭載しています。
2019年に入り、シマノロッドはもはやスパイラルXがミドルクラスのスタンダードになっていることは間違いありませんね。
価格帯的にも比較的手に入れやすいラインなだけに、初級~中級エギンガーにとっては非常に気になるロッドなのではないでしょうか?
現状シマノから発表されている範囲で旧モデルとの違いを見ながら、ご紹介していこうと思います。
アイキャッチ画像出典:http://fishing.shimano.co.jp/product/rod/5797
概要
まずはシマノの公式情報からロッドのざっくりした雰囲気を掴みましょう。
気になるところを赤字にしていますので、サッと斜め読みしてください。
平均自重95gを切る軽さ。そして上質な曲がりへと進化。
エギングロッドに求められる基本性能を高めたセフィアSSが、さらなる進化。ブランクスにスパイラルXを新たに導入し、平均自重が95gを切り、前作比約14g、13%もの軽量化に成功。高いネジリ剛性とつぶれ剛性により、クラスを超えた上質な曲がりへと進化している。その特性は、全身がムチのようにしなり、軽い力で鋭いダートを引き出すことが可能。自重の軽さと、重心位置がグリップ寄りの軽量バランスと相まって振り抜きやすく、シャープな操作とクリアな感度が体感できる。
また、全13アイテムと充実のラインナップも見逃せない。各機種が専用設計で、季節やスタイルを問わず、幅広いシーンで活躍。タフテックαやパーフェクションシートCI4+など、上位機種から還元された機能が多数採用され、エキスパートモデルの領域に迫るハイスペックが手中に帰する。
赤字をまとめると以下の通り。
ブランクスにスパイラルX
平均自重が95gを切る
全13アイテム
エキスパートモデルの領域に迫るハイスペック
個人的な感想としては、まさに正統派進化。
スパイラルXによるブランクス性能アップと軽量化を果たし、シンプルにより良いパフォーマンスを発揮できそうなロッドになっているのではないかという印象です。
次項から、旧モデルと比べながら、どのような進化を遂げたのか詳しくチェックしてみたいと思います。
注目ポイントを旧モデルと比較
旧モデルのセフィアSSは2014年に登場しました。
あれから5年が経過し、どう変わったのか?
個人的に気になるポイントをチェックしていきます。
技術特性
まずは搭載されている技術特性の違いを見ていきます。
以下の赤字が旧モデルには無かったものになります。
旧セフィアSS…ハイパワーX、CI4⁺
新セフィアSS…ハイパワーX、CI4⁺、スパイラルX、タフテックα、ソフチューブトップ
新たな技術特性はどういうものなのか?簡単にご紹介します。
スパイラルX搭載
ベースのポテンシャルアップにつながるものとして、スパイラルXの影響は大きいと思います。
旧セフィアSSはスパイラルX非搭載で、ハイパワーXのみでした。
スパイラルX搭載になったということは、ブランクスの基本構造からハイスペックに生まれ変わっているということです。
なお、スパイラルXとハイパワーXって名前ではたまに見聞きするけど、何が違うの?という方もいらっしゃるかもしれないので、簡単に説明するとそれぞれ以下のイメージです。
スパイラルXとは
ロッド縦繊維の内外層に、カーボンテープを逆方向斜めに密巻きした三層構造。高いネジリ剛性とつぶれ剛性を実現する「基本構造」
上の説明にある通り、スパイラルXは基本構造です。
内層も外層も関わります。
根本部分を構成する、基本性能に大きくかかわる要素ということですね。
最新の上位モデルには、さらに進化したスパイラルXコアという最新構造が搭載されているので、スパイラルXがミドルクラスにも搭載されるようになったのでしょう。
ちなみに、スパイラルXコアは、東レのナノアロイ技術を採用しています。
ナノアロイ技術といえば各ロッドメーカーのハイエンドモデルご用達になっていますよね。
詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
東レのナノアロイとは?何がすごいの?ロッドにどう活かされている?素人目線で分かりやすく解説してみます。
日本が世界に誇る大企業、東レ。プラスチックなどの樹脂製品、ナイロン繊維、炭素繊維などを始めとした、日常生活に密接にかかわる製品を多数製造、加工、販売している会社です。我々が釣りをする上でも数多くの製品に東レが関わっていますよ[…]
ハイパワーXとは
カーボンテープでX状に締めあげ、キャスト時やファイト時に発生するネジレを抑制する強化構造。ブランクスが持つ本来の性能をロスなく引き出せる。
対してハイパワーXは強化構造です。
外層のみを締め上げる構造です。
ブランクスの基本構造を補正・強化する要素ということですね。
旧セフィアSSは従来の縦横で巻かれたベーシックなブランクスの最外層をハイパワーXで斜めに巻きつけて強化されていたんです。
新セフィアSSは、ベース自体がスパイラルXに進化しているブランクスの最外層をハイパワーXでさらに巻き付けているんです。
要は大元となるブランクスの根本が違うということになります。
タフテックα、ソフチューブトップ搭載モデルが存在
新セフィアSSは機種数がかなり増えました。
旧セフィアは8機種だったところ、新セフィアは13機種。
シーズンやスタイルに合わせて、より細かなチョイスができるようになっている訳ですが、このタフテックαとソフチューブトップの搭載機種は、より繊細なエギングを楽しむための選択肢となりそうです。
タフテックα
穂先の径を落とさず、強度を保ちながら、しなやかで繊細な曲がりを実現したソリッドティップ。小さなアタリをティップの動きで視覚的に感知できる。
タフテックαはソリッドティップで、自然な喰い込みで違和感を抱かせにくい点と、視覚的にアタリを取りやすい点が魅力ですね。
ソフチューブトップ
特殊設計により軽量、高感度なチューブラーティップにソリッド並みのしなやかさをプラス。フォール中のエギの繊細なコントロールがしやすくなる。
ソフチューブトップはチューブラーながら適度なしなやかさも備えるティップです。
感度も備えつつ、しなやかなで適度にハリのあるティップで操作性も高い点が強みです。
タフテックαとソフチューブトップ搭載の機種があることで、旧セフィアよりもさらに高次元なアングラーの要求に応えれるものと思われます。
ラインナップ
新旧のモデルをラインナップで比較していると、目につくのは以下の点です。
ラインナップの充実
自重の軽量化
カーボン含有率の上昇
本体価格の上昇(特に短めのロッド)
全体的な軽量化が目立ちますが、その分、価格は上がってますね。
どう捉えるかは人それぞれですが、個人的にはスパイラルX搭載ロッドがこの本体価格であれば喜ばしいことだと思います。
旧セフィアSS
品番 | 自重(g) | 適合エギサイズ(号) | カーボン含有率(%) | 本体価格(円) |
---|---|---|---|---|
S800ML | 102 | 2.0~3.5 | 94.2 | 24,400 |
S803ML | 105 | 2.0~3.5 | 94.6 | 24,900 |
S806ML | 107 | 2.0~3.5 | 94.4 | 25,400 |
S803M | 107 | 2.5~4.0 | 94.3 | 25,400 |
S806M | 111 | 2.5~4.0 | 94.3 | 25,900 |
S809M | 114 | 2.5~4.0 | 94.3 | 26,400 |
S806MH | 117 | 3.0~4.5 | 94.6 | 26,400 |
S906MH | 127 | 3.0~4.5 | 95.0 | 28,400 |
新セフィアSS
品番 | 自重(g) | 適合エギサイズ(号) | カーボン含有率(%) | 本体価格(円) |
---|---|---|---|---|
S83L | 92 | 1.5~3.5 | 98.6 | 27,500 |
S86L | 92 | 1.5~3.5 | 98.6 | 28,000 |
S76ML-S | 87 | 1.8~3.8 | 98.6 | 28,000 |
S76ML | 86 | 1.8~3.8 | 98.7 | 27,000 |
S83ML | 92 | 1.8~3.8 | 98.6 | 28,000 |
S86ML | 93 | 1.8~3.8 | 98.9 | 28,500 |
S86ML-S | 93 | 1.8~3.8 | 98.8 | 29,500 |
S89ML | 95 | 1.8~3.8 | 98.9 | 29,000 |
S83M | 92 | 2~4 | 98.8 | 28,000 |
S86M | 99 | 2~4 | 98.7 | 28,500 |
S86M-S | 102 | 2~4 | 98.6 | 29,500 |
S92M+ | 103 | 2~4.5 | 99.0 | 29,500 |
S86MH | 102 | 2.5~4.5 | 98.7 | 29,500 |
セフィアSSの魅力
旧モデルと比べると、総合的にかなりレベルが上がったエギングロッドのように感じますね。
ほとんどの機種がアンダー100g。
ラインナップのバリエーションも増えました。
より「アングラーの望むエギング」に対応できるようになっています。
また、デザインはセフィアCI4⁺を踏襲したシンプルなデザイン。
より洗練された印象になりました。
ブラックの中にレッドが映えるセフィアらしい王道カラーリングですね。
↓旧セフィア
出典:http://fishing.shimano.co.jp/product/rod/3697
↓新セフィア
出典:http://fishing.shimano.co.jp/product/rod/5797
リールシート周りがだいぶスッキリしました。
↓旧セフィア
出典:http://fishing.shimano.co.jp/product/rod/3697
↓新セフィア
出典:http://fishing.shimano.co.jp/product/rod/5797
重心位置が旧モデルよりもグリップ寄りになっていて、さらに軽量に感じられるよう設計しているそうですから、実際の軽量化、スパイラルX化との相乗効果で振り抜き感や操作性、感度も期待できますね。
これで実売価格は2万円前後な模様です。
一昔前なら完全にハイエンドモデルでもおかしくないクオリティなのに…ほんとに凄い時代になったものですね(笑)
エギングも突き詰めていけば、1本のロッドで様々なシーズン、状況に対応するのも難しいと思います。
例えば4万円のハイエンドモデルを1本持っているよりも、セフィアSSを2本持っている方がエギングの幅は間違いなく広がるはず。
そういう考え方でロッドを選ぶのも1つの選び方ではないかと思います。
さいごに
新しいセフィアSSは、イメージとしては、セフィアBBでエギングの楽しさを知ったアングラーがステップアップしていく為のロッド…ということは間違いないと思いますが、エギング中級者はもちろん、上級者の2本目、3本目のロッドとしても十分に活躍できるスペックであるように感じます。
セフィアBBも去年モデルチェンジしたばかりですが、それと比べるとかなり上質なロッドと言えそうです。
スパイラルXの搭載は、ロッドポテンシャルの底上げに大きな影響を与えているはず。
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セフィアBBクラスのロッドでは不満…だけどセフィアCI4⁺クラスだとちょっと高いんだよな…という方や、エギングの幅を広げるべくロッドを増やそうとしている方にピッタリだと思います。