出典:ダイワ
メバリングで人気のダイワ月下美人シリーズ。
2018年、MXとEX AGSがモデルチェンジを迎えました。
そこで今回、この2モデルの特徴やスペックを洗い出してその差を比較してみました。
ご購入を検討中の方のご参考になれば幸いです。
アイキャッチ画像出典:ダイワ
コンセプト比較
MX
軽量ながら粘るHVF+X45の乗せブランク+オールチタンフレームSiCガイドの本格メバルロッドみなもに映る月の揺らめき。光と戯れるかのようなメバルのライズ。雅な月下美人の夜がはじまる。NEW月下美人MXシリーズは、ブランク、グリップ、ガイドに至るまで、メバルロッドの設計基準を一から見直したことで、上位モデルに肉薄するレベルまで感度と操作性が昇華した。軽量・高強度のHVFブランクとネジレに強いX45構造を組み合わせたブランクは、粘りとキリッとした張りを併せ持つ。それにより、ルアーの操作性やキャストの正確性、対応ウエイトが広がり、戦略の幅が拡大。また、大型メバルの引きもしっかりとロッドで吸収する粘りを持つ。ダイワのメバルロッドの特長である「シャープな粘り」の乗せ調子設計。中級モデルの粋を超えたポテンシャルと主張するかのごとく、赤い月が手元でさりげなく存在を主張する。
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EX AGS
リトリーブはもちろん、ドリフトにも対応。先進的な操作性と、尺メバルの引きをタメる粘りを持つ、メバルロッドの新機軸。超攻撃的なアジングロッドの普及や、プラグを用いたドリフトの釣りの発達によって、メバルゲームは劇的に変化を遂げた。リトリーブ一辺倒の釣りから、ラインスラッグをいかに調整するかが釣果の鍵を握るのだ。その繊細ゲームに対応すべく、張らず緩めずの感度を徹底追及したのがこの月下美人EX AGS。軽量、高感度でありながら、ほどよい張りと粘りをもつSVFナノプラスブランクによって、幅広いルアーを快適にキャストでき、尺メバルの引きもしっかりとタメることができる。新生 月下美人EX AGSが、メバルゲームの可能性を大きく切り拓く。
出典:ダイワ
コンセプトから感じること
MXは中級モデルですが、もはやクラスを超えた使用感を備えていそうですね。
HVFブランクとX45構造を組み合わせたブランクスは、粘りと感度を兼ね備えています。
「シャープな粘り」の乗せ調子設計を継承した正統派ダイワメバリングロッドです。
対してEX AGSは、ラインスラッグを用いるような最新のメバルメソッドも意識した仕上がりになっています。
張らず緩めずの、いわゆるアタリが取りにくい状況でも『感じることができる』ブランクスを目指しています。
ダイワハイエンドモデルの代名詞、AGS採用モデルはやはり飛び抜けた個性を誇ります。
アイテム特徴比較
MX
アイテム | 特徴 |
---|---|
68LS-S | 74ULの操作性をさらに高めたショートモデル。ボートにも最適 |
74ULS-S | ジグヘッドリグやプラグのリトリーブ&ドリフト釣法に対応 |
78MLS-S | フロートリグ専用の乗せ調子ロッド |
72LB-S | 大型メバルに対応するベイトフィネスモデル |
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EX AGS
アイテム | 穂先 | 特徴 |
---|---|---|
610LS-SMT・E | SMT | ラインテンションを操るフィネススペシャル ライトゲームのゲーム性向上によって、メバルロッドにもさらなる操作性が求められいる。ブランクのしなやかさと張りを極限まで追求。メバルゲームにおいて大事なドリフト・リトリーブ時のラインテンションコントロールを徹底して追求した一本。ジグヘッドリグやプラグを、水中を漂うベイトの如く操る。 |
76MLS-T・E | チューブラー | 沖のメバルをスイープに乗せ、一気に引き寄せる プラグやフロートリグを遠投し、潮に漂わせる際のラインテンションのコントロール性と、張らず緩めずのラインからききとる感度を追求したしなやかなチューブラーのティップを採用。メバルに違和感なく食い込ませたあとは、ベリーから強くなるトルクによってメバルの動きを吸収し、封じ込める。 |
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アイテム特徴比較から感じること
MXは4モデル。
中級モデルらしく、『いわゆるメバリング』を網羅するラインナップになっている印象です。
対してEX AGSは2モデルだけというシンプルな設定です。
ジグヘッドやプラグのラインテンションをしっかりコントロールすることを意識した610と、フロートリグやプラグを遠投した先で漂わせるためのラインテンションコントロールを意識した76。
ただ巻くだけ…ドリフトさせるだけ…のある意味成り行きの釣りではなく、張らず緩めずのラインテンションをコントロールして自分から支配していく釣り。
そんなハイレベルな釣りを目指せる至高の2モデル、といったところでしょうか。
仕様比較
MX
■乗せ調子ながら、さらに操作性を向上軽量で高感度のHVFブランク仕様。X45を適材適所に配し、しなやかさと操作性を両立。走ろうとするメバルの引きを一瞬で吸収する。■オールチタンフレームのKタイプSiCガイド軽量チタンガイドは、糸抜けを考慮してあえてのφ4の中口径仕様。フロロはもちろん、PE使用時もラインの抜けが向上し、飛距離がアップ。さらに、夜間でもラインを通しやすい。■操作性を向上させるショートグリップ
各アイテムごとに徹底追及したグリップ長さを採用。防寒着などを着ていても、操作性は良好。
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EX AGS
■AGS搭載
軽量・高感度の『AGS』をさらに昇華させた新型『AGS』を搭載。さらなる軽量化を実現し、感度が向上。また、フレームのラウンド化により糸がらみ抑制力も向上。糸滑りのよい新リングにより、飛距離がさらにUPした。
■穂先を追求
リトリーブだけでなく、ドリフトの釣りが多用されるようになったメバルフィッシング。釣法の変化に合わせてテーパーをやや先調子に変更。張らず緩めずのラインテンションでもルアーの状態を把握でき、違和感が出た際、スウィープフッキングできる穂先に設定。
■SVFナノプラスブランク
SVFコンパイルXナノプラスの採用により、しっかり感が増加。曲がるが強く押し戻す性格になっている。ネジレに対する最適構造のX45とあいまって、とがったスペックながら素直な使い心地。
出典:ダイワ
仕様比較から感じること
MXは中級クラスながらステンレスガイドではなく、オールチタンガイドという嬉しい設定です。より軽く、錆びにくい素材です。
ブランクスはHVFブランクとX45の組み合わせで、操作性を損なわずにしなやかさを出しています。
対してEX AGSは、ガイドには最新型AGSを搭載し、従来型AGSよりもさらに軽量化・高感度化・トラブル減少・飛距離アップしています。
穂先はリトリーブ主体のノリの良さだけではなく、ドリフトなど含めて張らず緩めずの状況でもアタリが取りやすいように、従来モデルよりやや先調子にリファインされています。
ブランクスも同じ方向性で、曲がりを損なわないようにしつつ、しっかり感を増しているようです。
このあたり、EX AGSはダイワの最新技術がふんだんに取り込まれていることが良く分かります。
ただ、MXでも他社ロッドではハイエンドモデルに採用されるチタンガイドが搭載されるなどしており、相当高いレベルのロッドであることに疑いはありません。
DAIWA TECHNOLOGY比較
MX
■X45ネジレ防止は「45°」が最適。パワー、操作性に革命をもたらすネジレ防止の最適構造。従来構造(竿先に対して0°、90°)に、DAIWA独自のバイアスクロス(±45°に斜行したカーボン繊維等)を巻くことで、ネジレを防ぎ、パワー・操作性・感度が飛躍的に向上。※ネジレに対して最も強い「45°」X構造をネーミングに採用。「Xトルク」は世界共通の商標として「X45」に呼称変更いたしました。
■HVF[エイチブイエフ]
ロッド性能に最も影響を与えるカーボンシートにおいて、ダイワはカーボン繊維そのものの高弾性化はもちろん、カーボン繊維を取りまとめる接着剤的な樹脂(レジン)量に着目。贅肉とも言えるレジンの量を減らして代わりにカーボン繊維の密度を高めた「高密度HVFカーボン」はより筋肉質でパワフル。粘りや強度を重視した竿に最適な素材となっている。■MEGATOP[メガトップ]
メガトップは、繊維と樹脂が均一に分散するカーボンソリッドであり、どの方向にも同様の曲がりを見せる。更に通常のカーボンソリッドに比べて強度が飛躍的に向上。これにより細径で柔軟、ハイテーパーな穂先を作ることが可能。カーボン素材特有の手に響く感度はもとより、穂先に表れる視覚的感度も大幅に向上。
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EX AGS
■ESS[エキスパートセンスシミュレーション]感性領域設計システム『ESS』
ロッドは曲がると、その方向と反対側に起きあがろうとするエネルギー(復元力)が発生する。これは、変形した(ひずんだ)ブランクが元に戻ろうとする「ひずみエネルギー」であり、竿の性能を左右する極めて重要なファクターである。DAIWAは、この「ひずみエネルギー」を解析・設計するシステムを開発。「どこが優れているか」「どこが足りないか」を数値で明確に把握するだけでなく、エキスパートの感性と呼ばれる領域までロッドに反映する事が可能。理想を越える竿を作り出す、革新的ロッド設計システム『ESS』。■SVF NANOPLUS[エスブイエフ ナノプラス]
レジン量を減らす事で、より多くのカーボン繊維を密入し、軽さ、パワー、細身化を実現するカーボンシート「SVF」に東レ(株)ナノアロイ® テクノロジーをダイワ独自の製法で組み合わせ、さらなる高強度化・軽量化を可能とした。■AGS[エアガイドシステム]
軽量・高感度のエアガイドシステム『AGS』。カーボンフレームの軽量性は飛距離とコントロール性能を向上。チタンと比較し約3倍の剛性をもつカーボンはラインを通して伝わるわずかな信号を吸収することなくダイレクトにブランクに伝える高感度を有する。シングルフット、ダブルフットともに更にサイズ・形状のバリエーションが充実。さらに新開発の軽量リング「Cリング(コバルト合金)」、「Nリング(シリコナイト)」を搭載した次世代『AGS』が登場。『AGS』の進化からますます目が離せない。■SMT[スーパーメタルトップ](※610LS-SMT・Eのみ)
超弾性チタン合金を採用し、カーボン素材では不可能な驚くべき感度を実現する「SMT(スーパーメタルトップ)」。振動を長く伝える超弾性チタン合金をそれぞれの竿種に合わせてチューブラー(中空)やソリッド(ムク)構造にし、カーボンやグラス素材をハイブリッドして理想的な調子を追求している。■X45
ネジレ防止は「45°」が最適。パワー、操作性に革命をもたらすネジレ防止の最適構造。従来構造(竿先に対して0°、90°)に、DAIWA独自のバイアスクロス(±45°に斜行したカーボン繊維等)を巻くことで、ネジレを防ぎ、パワー・操作性・感度が飛躍的に向上。※ネジレに対して最も強い「45°」X構造をネーミングに採用。「Xトルク」は世界共通の商標として「X45」に呼称変更いたしました。■V-JOINT[V-ジョイント]
スムーズな節の曲がりが理想の調子とパワーアップを実現。節の合わせ部分にDAIWA独自のバイアス構造を採用。合わせ部のスムーズな曲がりを実現し、パワー・レスポンス・感度が向上。■エアセンサーシート
軽量化・高強度・高感度を実現するカーボンファイバー入り「エアセンサーシート」。用途に応じて専用設計することで汎用リールシートでは体験できない操作性を実現。
出典:ダイワ
DAIWA TECHNOLOGY比較から感じること
MXはX45、HVF、MEGATOPが採用されています。
X45はネジレ防止(パワー・操作性・感度の向上)、HVFはブランクスの粘り・強度アップ、MEGATOPは感度の向上に一役買っています。
対してEX AGSは、X45こそMXと同じなものの、それ以外は全て上位互換のテクノロジーが採用されていると言えます。
ESS採用でそもそもの設計から違いがありますし、ブランクスもSVF NANOPLUSで東レの最新技術ナノアロイもプラスされています。
その他、AGS、SMT、V-JOINT、エアセンサーシートなど、ダイワ最新テクノロジーがこれでもかと言わんばかりに搭載されています。
MXでも充分素晴らしいロッドなのですが、EX AGSはまさに今ダイワが目指す最高のカタチを目指して完成したロッドと言えます。
スペック比較
MX
アイテム | 全長 (m) | 継数 (本) | 仕舞 (cm) | 自重 (g) | 先径/元径 (mm) | ルアー重量 (g) | 適合ライン | メーカー希望 本体価格(円) | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ナイロン(lb) | PE(号) | ||||||||
68LS-S | 2.03 | 2 | 105 | 65 | 0.8/8.9 | 0.5-8 | 1.5-4 | 0.1-0.4 | 31,000 |
74ULS-S | 2.24 | 2 | 115 | 68 | 0.8/8.9 | 0.3-5 | 1-3 | 0.1-0.3 | 34,300 |
78MLS-S | 2.34 | 2 | 121 | 80 | 0.8/10.4 | 1.5-10 | 1.5-5 | 0.15-0.5 | 35,300 |
72MLB | 2.18 | 2 | 113 | 87 | 1.2/9.4 | 3-14 | 3-12 | 0.2-0.8 | 35,500 |
出典:ダイワ
※価格は税抜
EX AGS
アイテム | 全長 (m) | 継数 (本) | 仕舞 (cm) | 自重 (g) | 先径/元径 (mm) | ルアー重量 (g) | 適合ライン | メーカー希望 本体価格(円) | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ナイロン(lb) | PE(号) | ||||||||
610LS-SMT・E | 2.08 | 2 | 107 | 65 | 0.7/9.9 | 0.5-8 | 1.5-4 | 0.1-0.4 | 66,000 |
76MLS-T・E | 2.28 | 2 | 117 | 71 | 1.1/10.3 | 1.5-10 | 1.5-5 | 0.15-0.5 | 68,000 |
出典:ダイワ
※価格は税抜
スペック比較から感じること
ここで数字だけを見比べると、その価格差の割には自重などに大きな差はないことが分かります。
もちろん、EX AGSの方がやや軽いですが、この価格差の説明にはなりません。
数字だけでは見えてこない使用感の差がEX AGSにはある。ということなのでしょう。
ただ、逆に言えばMXも充分素晴らしいロッドである、という見方が出来ます。
エキスパートアングラーでなければ、MXとEX AGSの明確な差を感じることは難しいのではないでしょうか?
逆に、一歩抜きん出たアングラーにとっては、このEX AGSは他のアングラーに差をつけられる大きな武器になることでしょう。
さいごに
月下美人は、メバリングの最新シーンに対するダイワの答えです。
スタンダードなメバリングに高次元に対応できるMXと、まさに最先端のメバリングを見据えたEX AGS。
性格は異なりますが、どちらのロッドも素晴らしい能力を秘めていることに違いはありません。
自分のスタイルに合わせたロッドを選択して、さらに深いメバリングの世界にどっぷり浸かってくださいね!
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