出典:シマノ
ここ数年、1万円を下回る低価格帯リールのクオリティは劇的によくなり、釣り入門者はもちろん、キャリアのある方でも釣りのジャンルによってはメインリールとして使用出来るほどレベルアップしています。
当然、サブリールとして使われている方も多いと思います。
この価格帯、思った以上に製品ラインナップが充実しており、数千円単位で細かく商品展開されています。
今回は特にシェアが大きいであろうシマノ製スピニングリールにフォーカスし、実売で1万円以下の製品について、分かりやすく表にまとめて比較してみようと思います。
アイキャッチ画像出典:シマノ
比較表
全モデル、汎用性の高い2500番での比較とします。
(2018年4月19日現在)
スペック表での比較
定価 (円) | 実売(円) | ギア比 | 最大ドラグ力/実用ドラグ力(kg) | 自重(g) | 巻上量(cm) | ベアリング | |
ナスキー | 13,500 | 8,885 | 5.0 | 9.0/3.5 | 250 | 73 | 4 |
サハラ | 9,720 | 6,804 | 5.0 | 9.0/3.5 | 250 | 73 | 4 |
ネクサーブ | VP | 4,299 | 5.0 | 4.0/- | 255 | 71 | 3 |
セドナ | VP | 4,280 | 5.0 | 4.0/2.5 | 245 | 73 | 3 |
アリビオ | VP | 3,063 | 5.2 | 3.0/2.0 | 260 | 73 | 1 |
注)糸巻量は全機種2号-170mで同じ
注)Amazonでの実売価格順に掲載(2018年4月19日時点)
注)VPはバリュープライスの略
注)価格は税込
注)ドラグ力についてネクサーブはシマノHPに実用ドラグ力の記載なし
技術特性表での比較
HAGANE ギア | X-SHIP | Gフリーボディ | コアプロテクト (ローラークラッチ) | コアプロテクト (ラインローラー) | ドラグノブ防水 | |
ナスキー | ● | ● | ● | ● | ● | |
サハラ | ● | ● | ● | |||
ネクサーブ | ||||||
セドナ | ● | ● | ||||
アリビオ |
注)全機種AR-Cスプール標準装備
注)全機種海水対応
考察
実売価格10,000円以下のリールが5機種もあることがすごいですね。
表にして中身を見ていくと、微妙な差別化が図られていることが分かります。
ここからは表の中味から気になった点を詳しく見ていきます。
ナスキーとサハラの比較
まず気になるのが、ナスキーとサハラの違いです。
実売価格で2,000円ほど差がありますが、他のスペック面の比較では違いがありません。
これは技術特性面を見ると分かります。
コアプロテクト(ローラークラッチ)とドラグノブの防水機能がナスキーには搭載されていますが、サハラにはありません。この差がおよそ2,000円という評価な訳です。
コアプロテクトはローラークラッチ部だけという点と、ドラグノブの防水機能をどう捉えるかですね…。この価格帯のリールを検討する方にとってはあまり重要なファクターにはならないように感じます。
ネクサーブとセドナの比較
続いてネクサーブとセドナが実売でほぼ同価格なのですがどこが違うのか気になるので見ていきましょう。
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スペック面で見るとネクサーブの実用ドラグ力はシマノホームページに記載されていないことが気になりますが、最大ドラグ力から推測するにおそらくセドナと同等でしょう。
セドナはネクサーブに比べて自重が10g軽く、今回の比較対象5機種の中では最軽量です。
巻上げ量は、ハンドル1回転あたり2センチだけセドナが多いです。これは気にするほどのファクターではないと感じます。
ここまでスペック面だけ見ると微々たるものですがセドナがリードでしょうか。
続いて技術特性面はどうでしょう。
セドナにはHAGANE ギアとGフリーボディが搭載されていますが、ネクサーブにはありません。
なんと、価格はほぼ同等ですが、スペック面でも技術特性面でもセドナが魅力的であるという結果になりました。
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アリビオについて
最後に、アリビオです。
言わずと知れた、シマノのスピニングリールの中で最も安いモデルです。
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スペック表を見ていただくと分かる通り、ドラグ力、自重、ベアリング数と全てにおいて他モデルと比べて劣ります。
技術特性面でも特筆すべき点はありません。
だからこその実売価格3,000円レベルな訳ですね。しかし、そもそもベースとなるシマノの技術力の高さのおかげで、他社同価格帯のリールと比べると非常にクオリティーが高くなっています。
なんといってもこの価格こそが最大の魅力ですよね。
おすすめは?
総合的に評価するに、最もおすすめなのは、
『セドナ』です!
その理由ですが、その価格と質のバランスです。
この価格帯のリールを探すということは、当然出来るだけ安くすませたい、という考えがベースにあるはずです。
それならば、アリビオでは?となる訳ですが、セドナはアリビオより1,000円高いだけで、
【スペック面】
■実用ドラグ力
セドナ2.5kg 対 アリビオ2kg
■ベアリング数
セドナ3個 対 アリビオ1個
■自重
セドナ245g 対 アリビオ260g
【技術特性面】
■HAGANEギア搭載
■Gフリーボディ搭載
という差があります。スペック面での差は一目瞭然ですよね。
技術特性面の差については以下ご参考にしてください。
【HAGANEギアとは】
金属の塊を圧力でプレス、切削なしにミクロン単位の精度で仕上げたドライブギア。精密冷間鍛造という独自技術が、高精度かつ強いギアを生み、なめらかな巻きごごちを可能にする。
出典:シマノ
【Gフリーボディとは】
ウォームシャフトをドライブギア上部に配置し、手元に重心を近づけたGフリーボディを採用。軽量自重を体感レベルでさらに軽く感じさせ、操作性に長けた攻めの釣りが可能となる。
出典:シマノ
数字面と機能面を考慮すると、セドナ…。これは相当お買得だと思うんですよね。
なお、ご参考までに、C3000番の比較では、
【実用ドラグ力】
セドナ3.5kg 対 アリビオ2kg
【自重】
セドナ250g 対 アリビオ260g
4000番の比較では、
【実用ドラグ力】
セドナ6kg 対 アリビオ4kg
【自重】
セドナ295g 対 アリビオ365g
となります。特に4000番では大きな差ですね!
さいごに
やはり、アリビオの安さは大変魅力的ですが、ほんの1,000円ほど上乗せするだけで、耐久性や使い心地が向上するセドナが購入できます。
長くさまざまな釣りに使用していくことを考慮すると、セドナがオススメですね。
モチロン、ナスキーやサハラはX-SHIP搭載などしていてセドナよりも上質な訳ですが、その金額差を考えるとセドナのコストパフォーマンスを取りたくなります。
ナスキー1台分の金額で、セドナなら2台買えますからね!
なにがなんでも安いシマノリール!ということならアリビオになりますね(笑)
もちろん、価値観は人それぞれですので、デザインなどもふくめた上で、自分の釣りに最適な1台を見つけてください。
以上、この記事がシマノの低価格帯スピニングリールをご検討中のみなさまのご参考になれば幸いです。