例年、初夏から佳境を迎えるハタゲーム。
最も有名かつ人気のターゲットはキジハタ(アコウ)です。
その他にもオオモンハタ、マハタ…などなど、ルアーで釣れるハタ類は多種に及びます。
今回は、キジハタを始めとした、ハタ類を専門に狙うにあたり実績のある、おすすめワームやカラー、リグ、その他小物をご紹介します!
主なハタ類とその生態を知ろう
みなさんはハタと聞いて、どんな種類が思い浮かびますか?
キジハタを思い浮かべる方が多いかもしれませんが、他にも様々なハタが存在します。
ハタ類は総じて美味しい魚が多く、その引き味も抜群ですから知っておいて損はありませんよ!
今回はルアーで狙える主なハタ類とその生態をご紹介します。
総じて言うならば、おかっぱりなら磯への渡しがハタへの近道です!
キジハタ
出典:WEB魚図鑑 https://zukan.com/fish/leaf19335
ハタ類のなかでも言わずと知れた、人気抜群のターゲットがキジハタ。
パワフルな引きを楽しめる上に、非常に美味な高級魚です。
キジハタの名前の由来は、その緑色の眼が、キジ色をしているからだという説が有力なんです。
岩場に砂地がまざるような環境を好みます。
最大サイズは60センチほどと言われています。
おかっぱりでは30センチ前後くらいまでがアベレージですが、中には50センチを超えるような個体も釣れます。
なお、30~40センチ前後に育つまではメスで、より大きくなるとオスに性転換する魚ですが、そのサイズに達するまでに10年ほど要するそうなので、たくさん釣れたなら、ある程度以上の大きさのハタはリリースすることも重要です。(ハタ類はメスとして生まれ、成長するとオスに性転換する雌性先熟魚。成長したオスを乱獲すると小型のメスばかりになってしまう。)
ハタ類全般、成長は非常にゆっくりな傾向がありますから、貴重な水産資源を未来に残すためにも、このことは頭の片隅にいれておいてもらえると嬉しいです。
オオモンハタ
出典:WEB魚図鑑 https://zukan.com/fish/leaf35126
体全体のまだら模様が特徴的なハタです。
キジハタより岩礁地帯を好む傾向があります。
あまり漁港や防波堤から釣れるようなイメージはなく、沖磯への渡しなどで比較的よく釣れるターゲットです。
最大サイズは40センチほどと言われていて、ハタ類では小型の部類です。
キジハタに比べ遊泳性が強い個体が多く、ボトム(底)一辺倒ではなく、少し浮かせて中層スイミングさせると釣れることも多々あります。
マハタ
出典:WEB魚図鑑 https://zukan.com/fish/leaf23185
縞模様が特徴的なハタです。
水深がある岩礁帯に生息しているため、おかっぱりで釣れる機会はそれほど多くなく、船でのジギングや鯛ラバ、テンヤなどで釣れることが多いです。
最大サイズは60センチほどと言われますが、なかにはメートル超えに大型化する個体もいるようです。思わぬモンスター級が釣れるかもしれない夢のある魚ですね。
アオハタ
出典:WEB魚図鑑 https://zukan.com/fish/leaf36416
縞模様と斑点、そしてヒレの先が黄色身を帯びるのが特徴です。
アオハタも岩場に砂地がまざるようなエリアを好む傾向があります。
最大で40センチほどで、ハタ類の中では小型の部類です。
アカハタ
出典:WEB魚図鑑 https://zukan.com/fish/leaf12620
全身赤みを帯びた体に、ところどころ白い斑点が入り、背鰭の縁に黒いラインが入ります。
岩礁地帯を好み、浅場から深場にまで広く生息します。
最大40センチほどになると言われますが、小ぶりな個体が多いように思います。
おかっぱりなら、オオモンハタ同様、磯への渡しなどでよく釣れます。
クエ
出典:WEB魚図鑑 https://zukan.com/fish/leaf75495
超高級魚で知られるクエもハタ類って知ってましたか?
言われてみれば、ハタっぽいな!と思う方もいらっしゃることでしょう。
やはり他のハタ類同様に岩礁帯を好み、水深は50メートルくらいまでの外洋に面したエリアに生息します。
大型化する種で、50~60センチほどになりますが、なかにはマハタのようにメートル超えに成長する個体もいます。
単独行動が多く、自分の縄張りからあまり離れずに生活をするようで、ゆっくり時間をかけて大型化していきます。
そういった生態から、非常に数が少なく、なかなかお目にかかれない魚です。
その味覚、サイズ、釣れなさから、釣り人の憧れと言われることも多い、非常に魅力的な魚です。(天然物はキロ数万円で取引されることも!!!)
まれにルアーや泳がせ釣りで釣れた!という釣果を耳にしますが、釣れたら超ラッキー!と言えます。
見た目もカッコいいし、いつか釣ってみたい魚ですね!ちなみにワタシも釣ったことはありません(笑)
おすすめワーム
主なハタ類をご紹介したところで、そのハタを狙うにあたっておすすめのワームをご紹介していきます。
ハタ類は岩礁帯を好みますから、ハードプラグやメタルジグでは根掛かりで快適に釣りが出来ないことが多いです。
やはり根掛かりに強いワームで狙うのがベスト!
キジハタをターゲットにしたモデル・カラーを発売しているようなメーカーの商品がイチオシです。
これらのワームを何種類かもっていれば、問題なく他のハタ類も狙えます!
今回は、ワタシの経験からオススメのメーカー・ワームをご紹介しますね。
いずれも実績は充分ですから、信頼して使ってください!
エコギア
エコギアは昔からロックフィッシュ関連をターゲットにしたワームを開発していましたが、近年、主にキジハタをターゲットにしたカラーも充実させています。
昔から超定番で実績抜群のバグアンツやパワーシャッドなどに加え、まさにキジハタ専用に設計された『キジハタグラブ』など、非常に魅力的なラインナップです。
エコギアのワームは大抵の釣具屋さんで扱っているので、どこのメーカーのワームを使えばわからない…という方がいらっしゃるなら、まずはエコギアのワームなら揃えやすい上に信頼できますよ。
キジハタグラブ
バグアンツ
パワーシャッド
エコギア(Ecogear) ルアー パワーシャッド 4インチ 329 UVマズメレッド
ケイテック
ケイテックは対ブラックバスで人気…というイメージが強いかもしれませんが、ソルトでも非常に高い実績を誇ります。
中でも、スイングインパクトはキジハタをターゲットにしたショップオリジナルカラーも多数存在し、知る人ぞ知るソルトでの超強力ワームです!
ワタシも愛用していて、キジハタはもちろん、マゴチ・ヒラメ・シーバス・メバルなどなど、様々なフィッシュイーターを相手に実績があります。
クレイジーフラッパーは、市場でそれほど注目されているわけではありませんが、実際非常に釣れるホグ系ワームで個人的に実績があり、オススメです。
一般的なホグ系ワームよりアピール力が強く、ハタに強力に訴えかける力をもっています。
スイングインパクトと対象的に、釣具屋さんにそれほど置いてないのが残念です。。。
スイングインパクト
クレイジーフラッパー
バークレイ
ガルプシリーズで有名なバークレイのワームもハタに効きます。
大きめテールに全身大きなリブの入ったボディが特徴的なパルスワームと、ホグ系ワームのど定番であるバルキーホッグは、キジハタにもメチャ効果的!
パルスワームのようなグラブはありそうで意外とないので、ワタシにとって唯一無二な存在です。
パルスワームやバルキーホッグにもキジハタ専用カラーがあるので、見つけたら買いですよ!
ケイテックのショップオリカラもそうですが、こういった限定カラー・専用カラーを集めるのも楽しみの1つかもしれませんね。
パルスワーム
バルキーホッグ
おすすめカラー
基本的には赤系、ピンク系、オレンジ系のハデなカラーがおすすめです。
これにラメが含まれるものを使いながら、当日のハタの好みに合わせてローテーションしていきましょう。
当然、状況によってはベイトフィッシュライクなシルバー系カラーや、甲殻類イメージのダーク系カラーが効くこともありますので、思い込みや決めつけには注意して、柔軟に試していくことが大事ですよ。
キジハタスペシャル…的な専用カラーを見つければ、手に入れたいですね。
専用カラーですから、効果的なカラーであることも間違いないんでしょうが、釣り人もその気になれますよね(笑)
おすすめリグ(仕掛け)
岩礁帯を好むハタ類ですから、必然的に根掛かりに強いリグを選択するケースは多いです。
しかし、スイミング主体で狙うケースなど、状況に合わせてさまざまなリグを柔軟に使い分けたいところです。
テキサスリグ
ハタ類を狙う上では基本となるリグかもしれません。
オフセットフックを使用するため、根がかり回避性能が高く、ボトムでの誘い、スイミングでの誘いと幅広く対応できるところが強みです。
ヘビダン・ジカリグ
ワームより下にシンカー(オモリ)がくるリグで、テキサスリグと同じく根がかりに強い上、テキサスリグよりもワームの動きがだしやすいです。
(テキサスリグはライン→シンカー→ワームという順番なのでワームはシンカーに動きを制限される。ヘビダンやジカリグはライン→ワーム→シンカーという順番の為、ワームの動きがだしやすい)
スイミングは得意ではありませんが、ボトムをじっくり攻める上では、テキサスリグよりも適していると言えます。
ジカリグは、オフセットフックにシンカーが直接セットされるリグ。ヘビダンはワームの下にラインで任意の長さのリーダーを取ってからシンカーをセットします。
ヘビダンであればシンカーでボトムを取りながらも、リーダーがある分、ワームを少し浮かせて見せられるので、ジカリグと効果的に使い分けたいですね。
フリリグ
近年注目をあびているリグで、テキサスリグのバレットシンカーの代わりに、ダウンショットリグ用のシンカーを用います。
シンカー止めは使いませんので完全にシンカーはフリーです。
キャストして着水後、シンカー止めがありませんので、シンカーがどんどんワームから離れながらボトムに落ちていきます。
(ダウンショット用のシンカーのアイは元々はラインを結ぶ用にデザインされているので大きな輪っか状になっている。ラインを結ばずに通しただけだと抵抗がほとんどかからない)
すると着底後、ワームはどうなるでしょう?
そう、シンカーから離れているので、ワーム自体はほぼノーシンカー状態になり、極めてナチュラルにフォールしますので、魚に違和感を与えにくく、バイトに持ち込みやすいです。
その後はリフト&フォールさせる度に、フォールでナチュラルに誘える訳です。
また、キャストするときにはシンカーとワームは接近していますから、空気抵抗も受けにくく飛距離も出ますし、ラインが絡むなどのトラブルも起きません。
ビフテキリグ
テキサスとジカリグとフリーリグのいいとこ取りをしたようなリグです。
特殊な形状をした専用シンカーを用います。
シンカーの横からフックが出るような形になります。
フォールではシンカーがスルスルと先に落ちていき、ボトム着底後はシンカーが立ち気味になり、ワームはシンカーの横につくような形になるのでナチュラルな動きが出しやすいです。
テキサス的にスイミングもこなせます。
語弊はあるかもしれませんが、浅く広く万能にこなしてくれるので、使い勝手のいいリグといえます。
ジグヘッドリグ
針先がむき出しになるジグヘッドリグですが、根がそこまで激しくない場所ではやはり効果的です。
フッキング率も高くなりますし、スイミングではワーム・フック・シンカーが三位一体ですから安定した泳ぎを見せてくれます。
中層でのスイミングが効くオオモンハタを意識する場合には積極的に使っていきたいです。
フリキャロ
ヘビキャロにフリリグの良さを足したリグです。
メリットは、ワームが『常に』ノーシンカー状態ということです。
リーダーの長さを任意で調整できるので、リーダーが長いほど動きはナチュラルになります。(キャストでラインが絡むリスクは高まります)
ズル引きやリフト&フォールでゆっくり、ナチュラルにボトム付近を攻めることができます。
魚の活性が高いときには、上でご紹介してきたテキサスやジグヘッドの方が展開が早いので効率がいいですが、逆に活性が低くてバイトまで持ち込めない…というような時には、是非試してほしいです。
特にリフト&フォールでのフォーリングが喰わせるための絶妙の間になりますので、魚が早い動きに反応しないときにはじっくり焦らず、『しっかり魚に見せる』ということを意識してくださいね。
三又キャロと組み合わせるのも面白いかもしれませんね!
おすすめ小物
ハタにはブレードのキラメキが効果的なケースがけっこうあります。
ブレード付きのジグヘッドや、オフセットフックにブレードを追加できるもの、ワームにねじ込むものなど、様々なタイプがあります。
ザップ ブレディ
バスフィッシングで人気のある秦拓馬氏が使うシークレットウェポンとして注目を集めていましたが、今年のフィッシングショーでついに正体が明らかになりました。
パイルドライバーというオフセットフックのゲイプ部分に小型のシンカーがついていて、そこにこれまた小型のブレードがついている、というものでした。
これを3インチ前後のワームに合わせて使います。
実はブレーディングパイルドライバーは以前から存在していましたが、その超小型版ですね。
奇をてらったものではなく、きわめてオーソドックスなものでしたが、非常に効果的だと感じます。
絶妙な軽ウェイト(0.9g、1.8g)のシンカーがワームを低重心に安定させてくれるので、スイミングが安定しつつ、ブレードでアピールできます。
強すぎない、ブレードの弱アピールがキモかと。
シンカーが軽いので、これ単体だとおかっぱりでのシャローが絡むエリアが基本になりますが、バレットシンカーと合わせてテキサスで使えば、ある程度の深さも攻略可能と思います。
シーバスにも良さそうですね!
エコギア コールアップヘッド
コールアップヘッドは去年エコギアから新発売されたブレード付きジグヘッドです。
ヘッド部分になんと2本のブレードがついているというアピール重視の仕様です。
ウェイト設定も幅広いので、シャローからディープまで、幅広く対応することができます。
磯での中層オオモンハタゲームに効きますよ!
エコギア ブレードスピン
エコギアのブレードスピンはコイルでねじ込むタイプのブレードチューンが可能です。
ねじ込むスペースさえあれば、どこでも任意の場所にブレードを足せるのが魅力です。
ハヤブサ トリックブレード
ハヤブサのトリックブレードはヘッド部分に横向きにダイレクトに取り付けられたブレードが特徴的です。
左右にスイングするブレードのフラッシングと、ブレードがこすれる接触音でアピールします。
さいごに
キジハタに代表されるハタ類は、そのトルクフルな引きで楽しませてくれることはモチロン、味覚も抜群で、本当に魅力的な魚です。
鮮魚店でハタ類を探してみてください。
そもそも扱いが少なめな魚ですが、もし見つけたらその価格にも驚くと思います。
それだけ価値がある魚ですから、自分で釣って活き締めした天然物のハタを戴けることは、まさに釣り人の特権です。
ルアーのゲーム性・力強い引き・抜群の食味…これらが存分に味わえるハタゲームを、みなさんも体験してみてはいかがでしょう!?