メガバスからレヴァンテという、バスロッドの新シリーズが登場します。
北米のバストーナメントシーンで著名なトップアングラーであるクリス・ザルディンの片腕として長年活躍してきたのがレヴァンテUSA。
そのレヴァンテUSAとデストロイヤーUSツアーリミテッドのテクノロジーをベースに、日本向けに新たに設計して発売されることになったんです。
これがまたメガバスらしくデザインがカッコいいんですけど、それ以上に衝撃的なのがその価格。
ラインナップも豊富で、4ピースモデルまであるという本気度。
恐ろしいコスパ抜群シリーズになっているので、詳しくご紹介します。
アイキャッチ画像出典:メガバス
レヴァンテの概要
まずはクリス・ザルディンとは何者?というところから簡単にご紹介します。
バスフィッシングのメッカ、アメリカ。
スポーツフィッシングとしてバスフィッシングは非常に人気があり、高額賞金のトーナメントが存在します。
日本からも過去来、多数の有名プロアングラーが挑んでいますが、上位をキープすることは至難の業で、優勝という吉報が届くことはほとんどありません。
この事実がいかにレベルの高いステージであるかを示しています。
そんな中で、最も格式高いバストーナメントなのがB.A.S.S.エリートシリーズ。
日本からは
大森貴洋さん
清水盛三さん
深江真一さん
の3名が奮闘中です。
(その他、イヨケンこと伊豫部健さんやキムケンこと木村健太さんは現在1つ下のカテゴリであるB.A.S.S.のオープンシリーズで奮闘中です。あえて日本からでていって戦う姿勢は素晴らしいです!応援しています!)
2018年、大森貴洋さんがエリートシリーズの開幕戦を優勝した快挙がニュースになったことは記憶に新しいです。
そのエリートシリーズで近年上位をにぎわすトップアングラーの1人が、チームメガバスSTWがサポートするクリス・ザルディンであり、クリス・ザルディンが実戦で得たフィーリングをロッドにフィードバックして完成したのがレヴァンテUSAです。
5年近く前からアメリカで活躍しているロッドで、現在も現地の一般アングラーから高い人気を誇るシリーズになっているようです。
これを日本版にモデファイして作り直すにあたり、クリス・ザルディンと伊東社長を筆頭に、日本のメガバス本社ファクトリーチームの山下賢也さん、アメリカのメガバスSTWが合流して「PROJECT・SHINOBI Code-ZERO」なるプロジェクトを立ち上げています。
メガバスらしい仰々しいネーミングなのはご愛嬌(笑)
アメリカ人は漢字が好き、というところと、隠密裏にすごいことをやってやろうというところからきているらしいです。
基本的な素材はレヴァンテUSAと同じで、日本のフィールドにマッチする仕様にして完成したのが、今回のレヴァンテというわけです。
主な仕様
メガバスさんに直接取材してみました。
まだホームページ上で掲載されていない情報もあるので、ぜひ参考にしてみてください。
ちなみに、レヴァンテUSAも2019年にニューモデルに生まれ変わるそうですよ。
基本的には、日本のフィールド向けにレングスなどをアジャストさせただけで、19レヴァンテUSAと同じ素材を使っていると考えていいみたいです。
そして、もちろんその19レヴァンテUSAを実戦でクリス・ザルディンが使っています。
ブランクス
LEVANTE GRAPHITE SYSTEM
極限まで低レジン化したレヴァンテ独自の最新のグラファイトレイヤードシステムを導入し、リール装着時にロッドティップがもたらす重量感を削減化排除。キャストを高速化するシャープなキャスタビリティとルアーコントロール時の圧倒的なダイレクタビリティを追求。
出典:メガバス
ブランクスは独自の巻き方をして、低レジン化を実現しているようです、
ちなみにレジンというのは主にはカーボンとカーボンをつなぐ役割を果たす樹脂のことを指します。
この樹脂を減らすことで筋肉質かつシャープなカーボンブランクスを生み出せます。
シャキッとしたフィーリング、振り抜き感を得られます。
ただ、現段階ではカーボン含有率は教えてもらえませんでした。
東レのナノアロイ技術を採用しているわけではないことは確かなようなので、あくまでカーボンの巻き方による技術的なもので低レジン化を実現しているようです。
シマノのマッスルカーボンとか、ダイワのSVFコンパイルX的なイメージかもしれません。
この価格のロッドでは、当然ナノアロイ技術搭載は厳しいですね(笑)
日本が世界に誇る大企業、東レ。プラスチックなどの樹脂製品、ナイロン繊維、炭素繊維などを始めとした、日常生活に密接にかかわる製品を多数製造、加工、販売している会社です。我々が釣りをする上でも数多くの製品に東レが関わっていますよ[…]
なお、ブランクスのバット部分、グリップから第一ガイドまでは、ややシブイ緑がかった、ペリドットメタリザートというカラーリングになっています。
第一ガイドから上は一般的なブラックのブランクスになっていますよ。
このあと出てくる、ガイドシステムの項の写真を見ると分かりやすいです。
グリップ
LEVANTE 3D-ZALDAIN PERFOMANCE GRIP
あらゆる指の支持形態とグリッピングフォームに対応し、長時間の競技におけるストレスを圧倒的に軽減化させる、3Dエルゴノミクスによるハイパフォーマンスグリップです。
出典:メガバス
ベイトロッドのグリップデザインが特徴的で、トリガー下のEVAが指にフィットするように造形されています。
新たに指への引っかかりができることで支点ができ、持ち重り感を減らす効果がありそうです。
軽量ブランクスとこのグリップとの相乗効果をメガバスは以下のように表現しています。
リール装着時にもたらす、ロッドブランクスの重量感を消し去り、ルアーの存在のみを浮かび上がらせ、アングラーとルアーを直接繋いでしまうかのような、クリス独自の「ダイレクト・ドライブ」フィール
出典:メガバス
実際にクリス・ザルディンが過酷な世界最高峰の舞台で結果をだしている訳ですからね。
かなりバランスはいいのではないでしょうか。
ガイドシステム
LEVANTE ORIGINAL GUIDE SYSTEM
ガイドをテーパーごとに独自のアレンジを加えた競技用ガイドシステム。圧倒的なキャスタビリティは、スピーディーに広範囲をサーチしなければならないコンペディションのシーンでは欠かせないガイドシステムです。
出典:メガバス
富士工業製のステンレスフレームKガイドですが、ガイドリングはSiCではありません。
ではトルザイト…?なんてこともなく、アルコナイトリング搭載とのことです。
北米ではもはや一般的なこの素材。
最高峰の舞台で活躍するアングラーのロッドに採用されているケースもよくあるみたいです。
日本でもコスパを意識するロッドには搭載されるケースが増えてきました。
SiCほどの硬度や放熱性はないものの、必要十分な性能を有していて実用性は非常に高く、それでいてコストは大幅に抑えられる素材なんです。
当然、ハードガイドよりはるかに優秀なガイドリングです。
PEラインも問題なく使えます。
はっきり言って、日本市場がSiCやトルザイトにこだわりすぎているだけで、アルコナイトはこれからさらに普及していくと思われます。
これも、クリス・ザルディンが最高峰の舞台で実際に使っているというのは説得力がありますよね。
日本だとSiCやトルザイトじゃないとダメ…みたいな風潮もありますが、これはメーカー側の戦略もあるでしょう。
アルコナイトにはアルコナイトの良さがありますから適材適所で採用していくべきと思いますが、メーカー側は高価で売上高が伸びるSiCやトルザイトを売りたいでしょうからね。(誤解のないようにあえて書きますが、SiCやトルザイトが素晴らしい素材であることに疑いはありません。)
情報化社会の今、さまざまな情報を集めて自分なりに総合判断しながら、正しい選択をしていきたいものですね。
ちなみ、知る人ぞ知る話でしょうが、2015年頃には、逆輸入的な感じでレヴァンテUSAのジャパンリミテッド的なモデルも発売されました。
この時は日本市場向けに、わざわざガイドはSiCに変更されてたんですよ。
その分、価格は2万円半ばしてましたけどね。
当時、なぜこの判断がなされたのかは当事者でないので推測しかできませんが、
『日本ではいいロッドには当然SiCだと思ってるユーザーに受け入れてもらえない』という風潮を意識したのか…。
もしくは
『SiCに変更して少しでも高く売りたい』という販売戦略だったのか…。
いずれにせよ、日本とアメリカではガイドリングに関する市場の捉え方は異なるということです。
ラインナップ
全26機種が存在します。
1ピース:11機種
2ピース:11機種
3ピース:4機種
1ピースモデルと2ピースモデルは、全く同じレングスのラインナップになっていて、2ピースモデルの自重が少し重くなっています。
継部分があるためですね。
対応ルアーウェイトは変わりありません。
4ピースモデルはベイト3機種、スピニング1機種で、バーサタイル性の高いロッドを選抜されている印象ですね。
各モデルごとに、メガバス公式ホームぺージ内の詳細ページへのリンクを貼っておきますので、気になるモデルをご参照ください。
1ピースモデル
2ピースモデル
4ピースモデル
レヴァンテの魅力
クリス・ザルディンが実際に使っているレヴァンテUSAのポテンシャルはそのままに、日本仕様に設計されて使いやすくなっているのは非常にうれしいですね。
レヴァンテは実売で1万円台というロッドなので、いわゆるハイエンドロッドからすれば価格は相当安い訳ですが、実戦において問題ないスペックと言うことはクリス・ザルディンの戦果が証明しています。
もちろん、超最先端テクノロジーが搭載されているわけではありません。
ですが、ぶっちゃけ、その超最先端テクノロジーってどこまで必要なの?という考え方もできます。
ロッドはバランスが大切です。
クリス・ザルディンが結果をだしているレヴァンテUSAは、決して高価なロッドではないという事実。
日本のトップアングラーが日本の大手メーカーのサポートのもとに挑んでも、アメリカでは簡単には勝てないという事実。
当たり前ですが、高額ロッドであればあるほど素晴らしいロッド…というものではなくて、『ある一定以上のレベルのロッド』であれば、性能はもはや必要十分で、それ以外の要素が釣果に結びついている訳です。
そして、レヴァンテが、『ある一定以上のレベルのロッド』であることに疑いはありません。
むしろ、トーナメント仕様な訳です。
無駄なものを省いてロッドの本質を見つめなおした、ある意味メガバスらしからぬいいロッドを作ったな…。というのが正直な感想です。
この価格なら複数本揃えやすいですし、高額ロッドに手をだして本数を絞ることになるよりは、結果として高いレベルのバスフィッシングを楽しめます。
伊東社長が詳しくレヴァンテについて語ってくれている動画があります。
その名の由来など含めて参考になりますよ。
現在、レヴァンテは予約受付中になっていて、Amazonや楽天ではまだ見つかりません。
新商品が速いのはいつもYahoo!ショッピングですね。
筆者が現時点でチェックする限り実売価格は大体1万8千円前後といった雰囲気で、手に入るのは早くて3月末で4月には…というイメージですね。