釣りエサ用エビを繁殖させる!ミナミヌマエビ(ブツエビ)を発泡スチロール飼育するのがベスト!

ブツエビやシラサエビ(スジエビ)はメジャーな釣りエサで、よく釣れるけど値段の高い活きエサ…という認識が一般的なのではないでしょうか?

特に、エビ撒き釣りは好釣果・高コストなセレブな釣りと言えるかもしれません。

釣りをする時間にもよりますが、1回の釣りで3千円〜5千円ほどかかったりします…。

でも、よく春先にはエビ撒き釣りのスズキ・ハネやチヌの釣果で賑わいますよね。メバルにもかなり効果的です!

そんな活きエビを、低コストで調達できる方法があります。

それはミナミヌマエビの自家繁殖です!

ミナミヌマエビはブツエビの一種で、熱帯魚の水草水槽のコケ取り役として飼育されることが多いです。わたしはアクアリウムも趣味なのですが、昔、水草水槽をしていた時(今は大型古代魚を飼育中)はよく飼育していました。

このミナミヌマエビ、海の釣りエサとしても非常に強力です。

ブツエビとして釣具屋さんで販売されているものは、ミナミヌマエビであることが多いです。

今回はそんなミナミヌマエビの飼育、繁殖についてご紹介します。

ミナミヌマエビは飼育も繁殖も簡単ですので、エビ撒き釣りが好きな方はもちろん、胴突きの探り釣りが好きな方も、必見です!


ミナミヌマエビとは

 

日本固有の小型淡水エビです。

ヌマエビ科の中のカワリヌマエビ属になります。

大きさは、オスで20mmほど、メスでも30mmほどです。体に目立つドットなどの模様はありません。

釣具屋さんでも手に入りますが、もし扱っていなければ熱帯魚屋さんやネット販売でも簡単に手に入れることができます。

河川の流れの穏やかな場所でアミを掬ったり、水草をそっと引き抜けば簡単に捕まえることも可能です。

近くに河川があるなら、採集するのも面白いですよ。

淡水のみで飼育・繁殖が可能

ミナミヌマエビは生まれた瞬間から稚エビとして活動でき、純淡水で成長が可能です。

というのも実は、他のエビは、幼生(ゾエアというプランクトン状態。稚エビではない。)として生まれてきて成長に塩分を必要とするものも多いです。したがって、汽水域まで幼生が流されていく必要があります。

水槽でそれを再現することは専門的な知識はもちろん、大きな手間と労力を要するので、自家繁殖は相当ハードルが高くなります。

その他のエビとの比較

ミナミヌマエビ以外で、釣りエサの対象になり得るエビとの違いを見ていきましょう。

ヤマトヌマエビ


同じヌマエビ科の仲間ですが、ミナミヌマエビと比べて大型化します。

大きさは、オスで35mmほど、メスで45mmほどになります。体の側面に、ドット模様があるのが特徴です。

ミナミヌマエビより大型でコケ処理能力が高いために、水草水槽のコケ取り要員としては一番人気です。

大型個体は、エサとしても目立つのでアピール力が強いですね。

しかしながら、ヤマトヌマエビは純淡水では繁殖は狙えないエビになります…。

エサとして使うなら、川や湖での採取一択です。

シラサエビ(スジエビ)


スジエビのことを関西ではシラサエビとも言います。琵琶湖産のものが多く流通しています。
テナガエビ科の中のスジエビ属になります。

テナガエビの小さい頃は、素人ではスジエビと一見して見分けるのが難しいくらい似ています。

大きさは、オスで35mmほど、メスで50mmほどになります。名前の通り、体にスジのような模様が入るのが特徴です。

スジエビは純淡水で成長できます。しかしスジエビ属には汽水域や海に生息する仲間が多く、日本で純淡水で生息しているのはスジエビくらいのようですね。

ですので、河川や湖で採取してきたスジエビであれば、繁殖させることは可能です。
幼生で産まれ、何度か脱皮してエビになります。

釣具屋さんで販売されているスジエビは、亜種であるケースもあるみたいなので、それを持ち帰っても繁殖はできないこともあるかもしれません。

スジエビは、肉食性が非常に強いエビで、コケはつまむ程度しか食べません。

採取してきても、他のヌマエビなどは食べられてしまうので、単独種飼育推奨です。

また、空腹であれば共食いも平気でしますので、適度にエサを与える必要があります。

とても攻撃的なエビなんです。

ですので、アクアリウムなどの経験者でないならば、少し気を使うエビになります。

飼育と繁殖が簡単なミナミヌマエビ!

ヤマトヌマエビもスジエビも、飼育・繁殖させるには一癖あるエビであるのに対して、ミナミヌマエビは一気に難易度が下がります。

純淡水で成長可能で、攻撃性が低くコケを好んで食べます。

外で飼えば、コケが勝手に生えてきてそれを食べて育ちます。

熱帯魚用のエサを少しやれば、さらにたくさん増えます。

落ち着けばすぐに包卵し、一気に増えます。
稚エビを食べることもほとんどありません。

もちろん共食いしません。


飼育に用意するもの

用意するのは基本的には以下4つのみ!

■発泡スチロール
発泡スチロールのデコボコにエビが掴まって休めます。

水槽だと、ガラス面には掴まれないので流木や水草を多く用意する必要があります。

夏は水槽と違い、直射日光が横からは入ってきませんので水温上昇を抑えられます。

近所のスーパーに鮮魚店があれば、譲ってくれるところがあると思います。

大きな容量のものの方が水質が安定します。

 

■水草
アナカリス、カボンバなどの、水に放り込むだけで育つ水草を入れましょう。

砂に植える必要がないのでラクチンです。

水質浄化作用があり、エビが掴まれる場所になるという役割も担います。貴重な酸素供給源でもあります。エビは酸欠に弱い生き物ですので必須です。

近所に採集しにいくか、熱帯魚屋さんにて購入しましょう。

 

■水
水道水でも大丈夫ですが、弱っている個体がいると昇天する可能性もあります。1日汲み置いた水ならダメージを低減出来ます。

水が減ってきたら足しましょう。ここまで減ったら足す、というのを決めておくといいと思います。減りすぎると水質悪化して、突如エビの大量死を招きますのでご注意を!

時おり、水が減ってなくても水を少しすくって捨てて、新たに足すようにすればより環境が安定します。いわゆる水替えという作業です。エビの糞が分解されていくなかで、硝酸塩という有害物質が生成され、少しずつ蓄積されていくからです。

ちなみに、水道水のカルキなどを気にせず使いたいなら、熱帯魚飼育の世界では超定番であるテトラ社のアクアセイフプラスがおすすめです。

カルキはもちろん、重金属も中和してくれるので、エビに極めて優しい水を一瞬でつくれます。

 

■ミナミヌマエビ
エビがいなけりゃ始まりません。
近所に採集しにいくか、熱帯魚屋さんにて購入しましょう。

 

エアレーションやフィルターは不要です。

砂もいりません。

上記4つを揃えたら、ベランダで飼育しましょう!

日本のエビですから、外でも日本の冬を越せますし、夏も直射日光をさけれる場所に置いて、アナカリスのような育成容易な水草を入れておけば大丈夫です。

なお、環境次第ですが、冬はコケがあまり生えない季節になるので、少しエサをやらないと餓死する可能性があるので注意してください。

もちろん屋内でも飼育大丈夫ですが、観賞目的でないならば発泡スチロールで家の外で飼育するのが1番ラクチンです。

ただし、夏場はボウフラなどの被害に気をつけてください。マンションの高層階だと発生しにくいですが、一軒家やマンションの低層階では、対策が必要です。

ボウフラ対策は、また後日記事にしようと思います。

【関連記事】後日作成した記事です。

さいごに

ミナミヌマエビ、ほんとにすごい環境適応力で増えてくれますよ。

繁殖に成功すれば、エビ撒き釣りはグッと身近な釣りになります。

他にも、お子さんや彼女・奥さまを釣りに連れて行く場合、虫エサは嫌がる人がいますが、エビなら大丈夫!というケースもけっこうあります。胴突きで使えばバッチリですね。

みなさんも、ミナミヌマエビの繁殖にチャレンジしては如何でしょう?

…と、かく言うわたしも最近引っ越しましたので、実は近日中にミナミヌマエビ採取に行く予定です!

【関連記事】採取場所の例です。



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