出典:シマノ
今春、18ステラがついに新発売となりましたね。
実は、少し前からアジング用のリールを新調したいなと考えていたので、私にとってちょうどいいタイミングなんです。
そもそも、モデルチェンジしたてのステラは無条件に買いたくなりますよね。
しかし、私はシーバス用のリールには現在16ヴァンキッシュを愛用していて、その軽さ、巻き感度に大変惚れ込んでいます。
ですので、ライトゲームということを考えるとヴァンキッシュなのかな…という思いと、満足感も含めてステラが欲しい…という思いが交錯しております…。
そこで、両リールについて、その違いを洗い出してみることにしました。
私が比較するにあたり考えたこと、調べたことがみなさんの参考になればと思い、記事にしてみました。
【関連記事】19ヴァンキッシュ登場です!
アイキャッチ画像出典:シマノ
スペック比較
アジングに使えて汎用性の高いC2000Sで比較します。
まずは数字上のスペック比較です。
差がある部分を赤塗りします。
18ステラC2000S | 16ヴァンキッシュC2000S | |
ギア比 | 5.1 | 5.1 |
実用ドラグ力(kg) | 2.0 | 2.0 |
自重(g) | 170 | 155 |
スプール寸法 (径mm/ストロークmm) | 43/13.5 | 42/12 |
糸巻量 | フロロ-3lb-110m PE-0.6号-150m | フロロ-3lb-110m PE-0.6号-150m |
最大巻上長 (cm/ハンドル1回転) | 69 | 67 |
ハンドル長(cm) | 40 | 40 |
ベアリング数 | 12 | 12 |
本体価格(円) | 86,184 | 58,860 |
実売価格(円)(Amazon 調べ) | 64,638 | 39,993 |
注)価格は税込表記
技術特性比較
続いて技術特性の違いを見ていきます。
こちらも差がある部分を赤塗りします。
18ステラC2000S | 16ヴァンキッシュC2000S | |
HAGANE ギア | ◎ | ● |
マイクロモジュールギアⅡ | ● | ー |
マイクロモジュールギア | ー | ● |
X-SHIP | ● | ● |
HAGANE ボディ | ● | ● |
マグナムライトローター | ー | ● |
CI4+ | ー | ● |
サイレントドライブ | ● | ー |
Gフリーボディ | ● | ● |
AR-Cスプール | ● | ● |
E.I. | ● | ー |
リジッドサポートドラグ | ● | ● |
コアプロテクト | ー | ● |
Xプロテクト | ● | ー |
SA-RB | ● | ● |
ワンピースベール | ● | ● |
海水OK | ● | ● |
スペック・技術特性から見えること
まず、数字の比較であるスペック表から見ていきます。
自重
ステラの170gに対してヴァンキッシュは155gです。
さすが、クイックレスポンスシリーズの最高峰というだけあって、ヴァンキッシュの軽さは発売から2年経った今でも凄まじいですね。
ハンドルとローターにCI4+を採用することで軽量化を目指したヴァンキッシュに対して、ステラは金属素材を採用しているため、剛性としっとりした巻き心地が特徴です。
スプール寸法
ステラの径43mm/ストローク13.5mmに対して、ヴァンキッシュは径42mm/ストローク12mmです。
シマノは、歴代ステラに、ステラの強みとしてロングストロークスプールを採用しています。
遠投性能が飛躍的にアップ。NEW STELLAのスプールは今までのSTELLAと同様にロングストロークタイプを採用。ラインの射出性能に長け、当社の室内テストにおいては、通常のストロークを持つリールと比較して最長飛距離は約10mアップ、平均飛距離は15%も向上した。
出典:シマノ
ストロークとはスプールの糸巻き部分の高さのことですね。
上の写真を見ると、ステラとヴァンキッシュのストロークが違うことが分かりますね。
また、ストロークだけでなく、径も少し大きくなっていますよね。
以下はシマノのインストラクターである辺見哲也氏のコラムからの抜粋です。
ステラ、ヴァンキッシュ、エクスセンスを比較した記事中の一部になります。
ただし『飛距離は正義!』と標榜している私としては、ベースになるのは常にステラ。その理由はスプールにある。ステラのスプールは直径が大きく長いためラインの放出がよりスムーズで、飛距離を伸ばすのに有利なのだ。
スプール径が大きければラインを放出する際、1回転で出される量が径の小さなものより長くなる。同じ距離分を放出するとすれば、径の小さなスプールだとより多く回転するのだからその分抵抗も大きくなる。またロングスプールは短いものより多くラインが巻けるので、放出された際の目減りが少ない。スプールが痩せにくいからエッジにラインが当たる角度も緩く、ラインの放出抵抗を抑えて飛距離を伸ばす。投げ釣り用リールのスプールが大口径で超ロングなのはこういった理由からだ。
他のモデルに比べて若干でもスプールが大きくて長いステラは、飛距離においてアドバンテージを持つ。だから基本的にファーストチョイスはステラとなる。出典:シマノ
シマノのハイエンドリールを比較する中での上記のコメントは説得力がありますね。
最大巻上長
ステラの69cmに対してヴァンキッシュは67cmです。
2cmの差です。
ヴァンキッシュの方が気持ちゆっくり巻けますね。
価格
およそ2万円半ばほど差があります。
これこそがステラのネックですね(笑)
それ故に所有欲を満たしてくれる訳ですが。
続いて技術特性を見ていきます。
HAGANEギア
両リールともにHAGANE ギア搭載なのですが、ステラのHAGANEギアは設計を見直し、今までのHAGANEギアよりもさらに強度が上がっているようです。従来モデルの1つ上のクラスのギア強度を実現しています。
これまで多くのシマノスピニングリールに搭載してきたHAGANEギア。独自の精密冷間鍛造技術により、十分な耐久性を確保してきたHAGANEギアを、NEW STELLAではさらに進化。ギアのサイズ、材質を変えることなく、設計だけで強度アップを達成。ワンサイズ上のリールギア強度を実現しました。
出典:シマノ
マイクロモジュールギアⅡ
ステラにはマイクロモジュールギアⅡが搭載、ヴァンキッシュにはマイクロモジュールギアが搭載されています。
まずは先代のマイクロモジュールギアについて見ていきます。
マイクロモジュールギアとは、歯を可能な限り小型化し、従来よりも多い歯数を持つ機構である。細かい歯を密に、かつ数多く噛み合わせることにより、強度を低下させることなく滑らかな動力伝達を実現。巻き上げ時のギアノイズが低減し、感度も飛躍的に向上した。ベイトリールでは段階的に導入してきたマイクロモジュールギアだが、狭いハウジングスペースの中でハンドルの回転運動を90度折り曲げてローターを回し、スプールの前後運動への変換も同時に行うスピニングリールにおいては構造的な制約が多いうえ、小型歯ギアを正確に組み込むには高度な技術を要するため、かつては不可能とまで言われていた。精密なギアを寸分の狂いもなく支持できるのは、高剛性&高精度のメタルボディがあるからこそである。
図の赤い線で表したグラフがマイクロモジュールギアの発するギアノイズ。左の従来型に比べて明らかにノイズが低減されていることが見て取れる。小型歯の密な噛み合わせは、巻き心地が滑らかなうえに高感度。使用感はもちろんのこと、小さなアタリもつぶさに感じ取ることができる。
出典:シマノ
スピニングのマイクロモジュールギアは、14ステラに初めて導入され、その後16ヴァンキッシュと17エクスセンスにのみ搭載されています。
現段階でもそんな希少なギアなわけですが、ここで18ステラはさらに上のレベルに到達した訳です。
シマノ、恐るべし。。。
では、マイクロモジュールギアⅡについて見ていきます。
最先鋭の歯面設計、シマノならではの製造技術によって進化したマイクロモジュールギアⅡ 。ギアの歯、ひとつひとつの歯面から設計を見直し、理想的な歯形状を追求。音鳴りの低減、滑らかなギアフィーリングの向上も達成しました。出典:シマノ
設計から見直してより理想的な歯形状を追求したことによって、完成度を高めたようなイメージですね。
これにより、あのヌメヌメした巻き心地にも磨きがかかっているのでしょう。
マグナムライトローター
これはクイックレスポンスシリーズであるヴァンキッシュの武器になる技術です。
ステラには搭載されていません。
ローターに金属ではなく、カーボン素材であるCI4+を採用しています。
常識を覆す異次元の回転軽さを実現したNEWローター。これまで当たり前とされていた左右対称のローター構造を非対称設計に変更。ラインローラー側に組まれていた「ベールリターン機構」を取り付けカム側に移植。さらにラインローラーの軽量化、ベールのチタン化、ローター肉厚の最適配置を駆使し、最大約14%もの慣性低減化に成功。さらにドラグ性能を左右するラインローラー側のローター剛性を、従来比最大30% アップ達成しました。
出典:シマノ
左右非対称のローターになっていて、慣性の低減に影響しているようです。
ちなみにステラは今回も左右対称です。
出典:シマノ
実際に私もヴァンキッシュを使用していて思いますが、巻きの軽さは素晴らしいです。
CI4+
ヴァンキッシュはローターとハンドルがカーボン素材であるCI4+になっていて、軽量化に寄与しています。(3000hgm、4000シリーズのハンドルは金属素材)
ステラは剛性と質感を意識し、完全に金属素材です。
サイレントドライブ
個人的に今回のステラの目玉とも思える技術です。
シマノのリールはウォームシャフトの構造上仕方ないのですが、ハンドルを巻いた際にコツコツ感がでることがあります。
これはリールが高級モデルであろうがなかろうが発生します。
実際、私が過去に持っていた14ステラもそうでした。
それに不満が募り、16ヴァンキッシュに買い換えた(今のところヴァンキッシュは異常ありません。)経緯があるのですが、今回のサイレントドライブ…この問題をクリアしてくれるものなんじゃないか?と大きな期待が持てます。
この期待が裏切られないことを切に願います。
ボディ全体の基本設計、駆動関連部品をひとつひとつ見直し、部品間の微細なガタ、隙間、揺れを細部に至るまで徹底的に排除。改善の対象箇所はドライブギア、ウォームシャフト、ウォームシャフトピン、ウォームシャフトギアなど多岐にわたります。新たな次元での滑らかな回転性能、静粛性を伴った巻きごこちを実現しました
出典:シマノ
E.I.
ステラSWとBB-X テクニウムに導入されている技術で、リール表面の耐食性を向上させるようです。
今回のステラには搭載されますが、ヴァンキッシュにはありません。
スプール糸巻き部およびボディにシマノ独自の特殊表面処理をすることで、従来の表面処理の2倍以上(当社比)の耐食性を実現しました。
出典:シマノ
Xプロテクト
ヴァンキッシュには、コアプロテクトが搭載されていますが、メンテナンスフリーという訳にはいかず、少なからずユーザーから不満の声があがっているように思います。
私は釣り終えたら必ず水洗いしているのでそれほど気にしていませんでしたが。
まずはヴァンキッシュ搭載のコアプロテクトについて。
各部に水を水玉化して弾く特殊撥水処理と、特殊グリスのシーリング処理により、軽さやレスポンスを維持したまま水や異物の侵入をブロック。またボディの合わせ面をフラット化し、撥水処理を加え、さらにストッパーレバーをなくすことで、ボディ前面、側面、背面からの水の浸入を抑制。回転の初期性能を長期にわたって保持する。
出典:シマノ
上記のように謳っていますが、そこそこ水の侵入を許すようです。
そこで今回のXプロテクトの登場ですね。
NEW STELLAに搭載しているのは非接触型X-プロテクト。撥水効果とラビリンス構造を複合することで、回転の軽さを損なうことなく、水圧にも耐える防水性能を実現。搭載箇所はラインローラー部とボディ(ローラークラッチ)部。特にラインローラーの耐久性は5倍以上もアップしています(対当社従来品)。
出典:シマノ
どこまでの性能を誇るかは、ある程度時間が経てば口コミで判明してくると思いますが、コアプロテクトの進化版だけにきっとそれなりのクオリティーは備えているであろうと予想します。
デザインは?
この価格帯になれば、性能に満足できることはもちろん、見た目の満足感も重要ですよね。
出典:シマノ
今回のステラ、14ステラと比べてガラッと雰囲気が変わりました。
16ヴァンキッシュもですが、ゴールドの比率がそこそこ高かったところ、今回はほぼシルバーです。
そしてこの光沢は、E.I.の影響もあるんでしょうかね?
実際に店頭でも実機を見てきたのですが、その印象は…
『かっちょえぇぇぇぇぇぇ!!!』
この一言に尽きます。
写真で見るより、シックなシルバーの光沢があって、高級感がビンビン伝わってきます。先代14ステラも、16ヴァンキッシュも霞んで見える…そのくらい胸が躍りました(笑)
世間の評判は賛否両論あるようですが、そんなものあって当然。
自分がカッコいいと思えればそれでいいんです。
結論
ここまで色々と調べてきた結果、今回はステラを購入しようと思います。
当然ヴァンキッシュがダメということではなく、それ以上にステラに魅力を感じたからです。
スペック・技術特性でいうと、軽量、かつクイックレスポンスシリーズの特徴であるマグナムライトローターを搭載しているヴァンキッシュは、その軽い巻き心地という点では感度でリードしていると思います。
しかし、マイクロモジュールギアⅡと、サイレントドライブという強みを持つステラも、そのなめらかな雑味のない巻き心地で、また違う感度を備えているのではないかと感じました。
軽さもヴァンキッシュには敵いませんが、必要十分な軽さを誇っています。
そして何よりこのデザインの、どストライク感が大きかったです。
その他、細かいところですが、ヴァンキッシュのC3000以下のCI4+ハンドルよりはステラのハンドルの方が好きなんですよね。
出典:シマノ
↓3000HGMから上のサイズはハンドルが変わる
出典:シマノ
また、今メインにしているロッドが7フィート以上の比較的ロングロッドなので、ロッドとのバランス的にも軽すぎない方がバランスが取れる気がしたこともステラを後押しした理由に挙げられますね。
6フィート以下の軽量ロッドと合わせるなら、ヴァンキッシュの方が向いているでしょう。
さいごに
シマノホームページのステラのページに、こんな文章があります。
物語を成熟させる。
あなただけの、
そしてSTELLAだけの、
ただひとつの、結実。
出典:シマノ
マイクロモジュールギアⅡやサイレントドライブのような、どちらかと言うとシブい進化が目立つ今回のモデルチェンジは、きっと、前回の14ステラから積み重ねてきたギア系技術の1つの集大成のような位置付けなのではないかと思うんです。
突き詰めてみたら、ここまで出来ました!というリールだと受け止めています。
これは私の勝手な思い込みですが、そういう視点でNEWステラと向き合ってみようと思います。
またステラ購入後、使用感などをインプレできればと思います。
【2018/7/19追記】18ステラ C2000S購入しました!インプレ記事です。
NEWステラに対応する夢屋製品も続々登場しています。カッコいいです…。