大鯛は美味しいのか?調理法は何がいい?70センチの脂乗りがすごい真鯛で試してみた

海釣りの人気ターゲット・真鯛。

見た目良し・釣ってよし・食べて良し!

と三拍子そろった、素晴らしい魚です。

多くの釣り人が、立派な真鯛を狙って海に繰り出します。

一方で、大きく育った鯛、いわゆる大鯛はあまり美味しくない…大味だ…といった評判も耳にします。

実際どうなのでしょう?

初めて大鯛が釣れた人、これから大鯛を狙う人には、気になるところですよね…。

今回は和歌山の串本沖で釣れた天然真鯛・70cmを実際に捌き、調理して、その味をレポートしたいと思います。

今回使う鯛

3月下旬に筆者の父が和歌山のカセ釣りで仕留めてきました。

完全フカセで釣れたそうですが、道糸は3号だったそうで、かなり走られて大変だったようです。

そんな苦労の末に上がった真鯛がこちら。

 

オスの真鯛ですね。

頭のコブ(突起)がゴツくなってるのがオスなので、大鯛ほどその傾向が強くなり分かりやすいです。

なかなか風格のある、ゴツい真鯛です。

捌く過程で身質に大きな違いがあることが分かる

さぁ、捌いていきます。

大海原を長年生きてきた風格がありますね。

 

まずは内臓とエラを処理します。

背骨の太さもそれ相応のものになりますので、きちんと関節を捉えないと、出刃包丁が欠けるので注意。

 

顔もすごい迫力です。

 

やっぱりオスでしたね。

かなり立派な白子が取れました。

 

身に包丁を入れてすぐに分かるのが、脂乗りのすごさ。

下の写真は三枚に卸した半身ですが、その照りが伝わるでしょうか。

 

50センチくらいまでの真鯛と比べると圧倒的に脂肪が多く蓄えられています。

真鯛と言えばやや透明感のあるキレイな白身という印象ですが、より白みが強くなっています。

それが顕著なのは、腹身側です。

 

かなり白みが強いです。

そして、さらに強い衝撃を受けるのは腹身の内側です。

 

ラードにような分厚い脂肪の膜でコーティングされています。

これはさすがに食べる気にならないので、包丁でそぎ落とします。

すると…

 

色といい、サシが入った見た目といい、まさにマグロの大トロのような身が現れました!

ほんまに真鯛なんかいな!とツッコミを入れたくなるような見事なサシです(笑)

これは大鯛特有のもので、当然ですが30~40センチの食べ頃真鯛にはありません。

 

最終的に、3枚に卸した半身を中心の血合いに沿って切り分けて、4本の柵に切り分けました。

さぁ、次項からは実際に各部位を食べてみた感想をご紹介していきます。

いろんな調理法で試す。味は?

これだけのサイズになると、かなりの身の量になるので様々な調理・食べ方を試せます。

身質を見て、触ってみた感覚から、個人的に試してみたい方法で食べてみました。

刺身

まずは

刺身でどうなの!?

というのが多くの方の気になるところではないでしょうか?

今回、背側と腹側をそれぞれ食べてみましたよ。

皮をはいですぐに分かるのが、皮と身の間にも脂肪がかなりあるということ。

 

身は柔らかく、手でしっかり押さえながらでないと切りにくいです。

刺身にしても、なんだか真鯛っぽくない雰囲気ですよね。

 

身もやっぱり白みがかってるのが伝わりますでしょうか。

 

さぁ、醤油とワサビで食べてみます。

口に入れた瞬間に、真鯛本来の甘みに加えて、やはり脂肪分の影響でしょうか、マイルドな甘みも感じます。

美味しいです。

ただ、食べている内に、口の中にスジが残ることがあります。

下の写真の切り身のように、白いすじが太めに入っているところが残るようです。

 

醤油を見るとこの通り。

 

総評としては、味は美味しいものの、スジが気になるときがある。

あと、いくらでも食べられる!という類のものではなく、3切れほど食べたら十分満足かな、という感じです。

アラの塩焼き

アラの一部を塩焼きにしてみました。

塩をしっかりめに振って、グリルで焼きます。

まるでムニエル。バターをすくってかけているかのような状態。

 

焼き上がり。半信半疑ですが、美味しそうです。

 

食べてみると…、これはかなりウマいです!

癖がない真鯛らしい味わいでありながら、旨味を強く感じます。

余分な脂を落とす意味でも、焼きはかなり効果的な食べ方なのではないかと感じました。

西京焼き

次は西京焼きを試してみました。

アラが塩焼きで美味しかったので、切り身も塩焼きは間違いないだろうと思われます。

さらに味噌で余計な水分を吸いだし、旨味を吸わせる西京焼きは、かなりマッチするのではないかという予測です。

白味噌に酒少々、砂糖少々で調整したものに漬け込んで、一日冷蔵庫で寝かしました。

 

で、翌日、さっそく焼いてみます。

 

味噌の色がほんのりついて、きつね色に変わっています。美味しそう。

 

以下の通り、少し焦げ目がつく程度に焼き上げました。

 

食べてみた感想としては、メチャクチャ美味しい!

身はけっこうしっかりしてるんですが、脂ものっているので、パサパサしていません。

味噌の旨味と相乗効果で、ご飯の友としても、日本酒のアテとしても、最高にマッチしています。

これは冷凍しておけば保存も効きますし、かなりおすすめの食べ方ですね。

煮付け

頭とカマは煮付けにしてみました。

 

これだけ大きい真鯛だと、かなり身がとれます。

で、実際に食べた感想としては、コレもめちゃくちゃ旨いです。

絶妙にホロホロと身が取れますが、脂の旨味は残っています。

目も旨かった。

やっぱり、大鯛は火を通せば、大抵美味しく食べれると言えそうです。

白子

今回はオスの真鯛でしたから白子がありました。

これは定番の白子ポン酢で頂くことにしました。

 

海水濃度の塩水につけながら、膜などをキレイに取り除きます。

その後、酒に10分ほどつけて臭みをとります。

 

その間に、鍋に水と酒少々を加えたものに火をかけ、沸騰させます。

そこに白子を入れて、さっと茹でます。

今回はかなり大きな白子だったので、2分茹でました。

茹で時間の目安は白子のサイズにもよりますが、1分~2分くらいが妥当と思います。

で、これまた用意しておいた氷水につけて、粗熱を取ります。

 

ここでも脂が浮いてきます。

 

で、あとは水分をふいて、包丁で一口大に切ればOKです。

1尾からすごい量が取れました(笑)

ポン酢、ネギ、紅葉おろしで戴いてみます。

 

口に放り込むと、すぐにとろけます。

そして、甘い。旨い。

やはり白子は最高です。

 

食べ頃サイズの真鯛の白子と比べても遜色ないどころか、より旨い気さえしましたね。

少なくとも、スーパーで売ってる真鯛の白子よりは断然旨いです。

これはその大鯛のコンディションにもよるのでしょうが、少なくとも今回の大鯛の白子はかなり上物でした。

さいごに

今回はノッコミ時期のオスの大鯛という条件であることは頭の片隅に入れておく必要はありますが、いろんな食べ方を試してみて、総じて美味しかったというのが正直な感想です。(産卵後で痩せてたりすれば当然全体的な味のレベルが下がりますよね。)

強いて言うなら、刺身については、スジの少ないところを少し戴く程度がいいのかな?という印象を持っています。

味はいいんですけど、スジが気になると言えば気になるんですよね。

西京焼き、煮付けが個人的に一番おすすめです。

食べきれないときには西京焼き用に味噌につけて冷凍しておけばいいと思います。

総評として、40センチ前後の食べ頃真鯛と比べると万能性は下がりますが、大鯛ならではの良さもあるように感じました。

ムツやノドグロのような、白身の脂が多い魚に近くなるようなイメージです。

特にその脂感を少し抑えるような調理方法をチョイスすると、非常に美味しく戴けますよ。

せっかく釣れた大鯛!食べるところまで楽しみたいものですね。

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