ダイワのハイスペックエギングロッド、エメラルダスMXに興味深いシリーズが登場します。
なんと野村珠弥さんシグネチャーモデルとして、エメラルダス MX 85MLM NTが発表されたんです。(発売予定は2019年6月で予約受付中)
野村さんと言えば、エギングで有名な山田ヒロヒトさんの優しくも厳しい!?指導で上達し、今や見事な釣果を叩き出すアングラーとして活躍しておられます。
たまちゃんという愛称でもお馴染みですね。
出典:http://www.daiwa.com/jp/fishing/item/rod/egi_rd/eme_MX_NT/index.html
そんな野村さんが監修したエメラルダス、一体どのような仕上がりを見せているのでしょうか?
オリジナルのMXとの違いも気になりますね。
そのスペックを見て、主観ながら評価していきたいと思います。
アイキャッチ画像出典:http://www.daiwa.com/jp/fishing/item/rod/egi_rd/eme_MX_NT/index.html
概要
まずはダイワ公式のキャッチコピーからご紹介します。
注目ポイントを赤字にしてますので、ななめ読みしてください。
エギングロッドの基本性能を磨いた「EMERALDAS MX」から野村珠弥シグネチャーモデルをリリース
エギングロッドの基本性能を磨いた「EMERALDAS MX」シリーズから野村珠弥(たまちゃん)監修モデルをリリース。エギングロッドの基本要素である軽快なジャーク、軽量・高感度といった基本性能を高めたMXシリーズをベースに彼女のこだわりをプラス。ベースのシリーズは、ブランクにハイクラスにも使用している軽量・高弾性・高反発カーボン「HVFナノプラス」を採用し、ネジレ防止の最適構造である「X45」で補強。力強いキャストやジャークを繰り返すエギングにおいてブランクがブレない爽快な使用感を実現する。そのうえで今モデルのレングス・パワーは操作性、キャスタビリティを考え8.5ftのMLMに設定し、ティップセクションのガイド数を2個増設し、糸絡みを排除。リアグリップはややショート化し、レインへの突っ張り感も軽減。
出典:http://www.daiwa.com/jp/fishing/item/rod/egi_rd/eme_MX_NT/index.html
その特徴をざっと拾い集めると、以下の通りです。
HVFナノプラス
X45
8.5ftのMLM
ティップセクションのガイド数を2個増設
リアグリップはややショート化
次項でそれぞれ詳しく見ていきます。
特徴
HVFナノプラス
出典:http://www.daiwa.com/jp/fishing/item/rod/egi_rd/eme_MX_NT/index.html
ブランクスはカーボン繊維の密度を高めた「高密度HVFカーボン」が進化したHVFナノプラスを採用しています。
東レのナノアロイテクノロジーが導入されていて、樹脂(レジン)がかなり少なく、それでいて粘りやトルクも強化されています。
ナノアロイテクノロジーはカーボンロッドに関する最先端技術の1つと言えます。
ナノアロイについてどれくらいの人が理解しているか分かりませんが、ほんとにすごい技術ですよ。
東レのナノアロイとは?何がすごいの?ロッドにどう活かされている?素人目線で分かりやすく解説してみます。
日本が世界に誇る大企業、東レ。プラスチックなどの樹脂製品、ナイロン繊維、炭素繊維などを始めとした、日常生活に密接にかかわる製品を多数製造、加工、販売している会社です。我々が釣りをする上でも数多くの製品に東レが関わっていますよ[…]
X45
出典:http://www.daiwa.com/jp/fishing/item/rod/egi_rd/emeraldas_mx2017/index.html
X45は、カーボンの巻き方のことです。
最下層は90度(横)、二層目は0度(縦)、最外層は45度のクロス(斜め)にカーボンを巻くことで、ねじれに強い仕上げがされています。
ブレが減り、振り抜きがよくなると同時に、トルクも向上します。
8.5ftのMLM
かなり珍しい8.5ftというレングスになっています。
これは野村さんが操作性を向上させつつも、キャスタビリティを極力損ねないように考えた結果のレングスになっているようです。
そしてテーパーも特殊で、MLMという設定です。
ティップ部にはMLを、バット部にはMを採用しているのでMLMと表記されます。
ティップはソフト気味にアタリを感じやすいセッティング、バットは力強いキャストとシャクリ、フッキングを行えるセッティングになっている訳です。
最近、ダイワはこういったセッティングが多くなってきました。
ティップセクションのガイド数を2個増設
ライン絡みを減らす狙いで、ティップ部にガイドが2個増設されています。
これは糸絡みが減るのかどうかと言われると、正直どうなのかと思いますが、飛距離と感度には多少影響するでしょうね。
飛距離は落ちる方向に、感度は上がる方向になるでしょう。
個人的にはここはあえて増やさなくてもよかったんじゃないかと思います。
よりシグネチャー感は出せますが、狙った効果自体は薄い気がするんですよね。
実際に使ってみないと分からない訳ですが…。
リアグリップはややショート化
8.5ftになったことに関係ありますが、ややリアグリップが短くなっています。
服のすそなどへの引っかかりを減らす狙いがあるようです。
男性に比べれば女性は比較的腕が短いケースが多いでしょうから、確かに引っかかり感は感じやすいかもしれません。
そこに野村さん目線でメスをいれた形ですね。
快適性を高める工夫と言えます。
デザイン
出典:http://www.daiwa.com/jp/fishing/item/rod/egi_rd/eme_MX_NT/index.html
ブランクスは、エメラルダスらしいエメラルドグリーンにゴールドのラメが入ったカラーリングになっています。
加えて、金属の装飾パーツはパープルをチョイス。
野村さん曰く
青い空、青い海の下でしっかり映える「かっこかわいい」デザイン
とのこと。
『いかにもな』かわいらしさではなく、適度な主張で個人的にはステキだと思います。
ラインナップ
1モデルのみです。
エギサイズ的にも、オールラウンドモデルと言えるでしょう。
アイテム | 全長 (m) | 継数 (本) | 仕舞 (cm) | 自重 (g) | 先径/元径 (mm) | エギサイズ (号) | 適合ライン (号) | カーボン 含有率 (%) | メーカー希望 本体価格(円) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
85MLM NT | 2.57 | 2 | 133 | 99 | 1.4/11.4 | 2.5-4.0 | 0.4-1.0 | 99 | 31,300 |
エメラルダスMXとの違いは?
エメラルダスMXのラインナップは以下の通りです。
アイテム | 全長 (m) | 継数 (本) | 仕舞 (cm) | 自重 (g) | 先径/元径 (mm) | エギサイズ (号) | 適合ライン (号) | カーボン 含有率 (%) | メーカー希望 本体価格(円) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
711LML-S・E | 2.41 | 2 | 125 | 85 | 0.9/9.4 | 1.8-3.0 | 0.4-1.0 | 99 | 29,200 |
83ML-S・E | 2.52 | 2 | 130 | 90 | 1.0(0.9)/9.9 | 1.8-3.5 | 0.5-1.0 | 98 | 29,500 |
83M・E | 2.52 | 2 | 130 | 95 | 1.6/11.4 | 2.5-4.0 | 0.5-1.2 | 97 | 29,500 |
86ML・E | 2.59 | 2 | 134 | 95 | 1.5/10.9 | 1.8-3.5 | 0.5-1.0 | 97 | 29,700 |
86M・E | 2.59 | 2 | 134 | 95 | 1.5/11.4 | 2.5-4.0 | 0.5-1.0 | 98 | 29,700 |
86M-S・E | 2.59 | 2 | 134 | 95 | 0.9/10.9 | 2.5-4.0 | 0.4-1.0 | 99 | 28,500 |
86MH・E | 2.59 | 2 | 134 | 105 | 1.7/12.4 | 3.5-4.5 | 0.5-1.2 | 97 | 29,700 |
89M・E | 2.67 | 2 | 138 | 100 | 1.6/11.9 | 2.5-4.0 | 0.5-1.2 | 97 | 29,900 |
モデル名にSがつくのはメガトップモデルですね。(カーボンソリッドティップ)
NTモデルと元径が同じなのが、83M・Eと86M・Eです。
適応エギサイズ的にも、この2本と比べるのが適当でしょう。
先径を比べるとNTは1.4㎜であるのに対して、83M・Eは1.6㎜、86M・Eは1.5㎜ありますね。
MLMというテーパーになっていることがここで分かります。
ちなみに、86ML・Eも1.5㎜なので、それよりも細いティップを備えているということになります。
よりセンシティブなティップに味付けされているということです。
86のバーサタイル感を殺さないように、女性でも扱いやすいややライトテイストにシフトさせたようなイメージです。
デザイン的にも比較してみましょう。
以下はエメラルダスMXのオリジナルモデルです。
出典:http://www.daiwa.com/jp/fishing/item/rod/egi_rd/emeraldas_mx2017/index.html
ブランクスのカラーリングはセパレート部とフォアグリップ直上のバット部分だけ深緑で、基本ブラックになっているのがオリジナルです。
金属パーツもエメラルダスらしいカラーになっています。
対してNTモデルはかなり明るい印象ですね。
出典:http://www.daiwa.com/jp/fishing/item/rod/egi_rd/eme_MX_NT/index.html
オリジナルの方はシンプルにカッコいい印象で、それに比べればNTはかなりアカ抜けた鮮やかな印象です。
エメラルダスMX 85MLM NTの魅力
エメラルダスMXの基本性能の高さはそのままに、女性目線でカスタムされた85MLM NT。
個人的には、特にリアグリップのショート化と、MLMというテーパーに注目ですね。
何度もシャクリを繰り返すエギングにおいて、裾へのひっかかりは結構なストレスになります。
野村さんがそのように感じてあえて短くしたということは、女性エギンガーが感じやすい課題なのかもしれません。
86の感覚で扱える85というレングスでありながら、操作性を向上させている点は魅力的ですね。
あとは、バット部分はMでありながら、ティップセクションはMLというテーパーのセッティングについて。
これは、野村さんの狙いとして
ブランクはティップ部にはアタリを感じやすいしなやかなMLを、バット部には非力でもより力強いキャストを行えるようMを採用
出典:http://www.daiwa.com/jp/fishing/item/rod/egi_rd/eme_MX_NT/index.html
という明確な意図があります。
基本的にはアタリを感じやすいややライトテイストなロッドを目指していたんだと思いますが、バットにワンランク上のパワーを持たせることで、飛距離やパワーも備える面白いロッドに仕上がっているのではないでしょうか?
その他、気になる点としては、ガイドの増設は必要だったのか(メリットとなり得るのか)です。
そこは正直半信半疑です。
価格もチタンガイドを増設する訳ですから高くなってますし。
おそらくあって困るものではないですし、糸絡みは減るのかもしれませんが、なくてもそれほど困らないんじゃ…と思う訳です。
オリジナルのエメラルダスMXが劇的に糸絡みするなら話は別ですが、そんなことはないはずですしね。
とまぁ、ガイドについては賛否両論あるかもしれませんが、総合的にかなりレベルの高いロッドであることは間違いないでしょう。
女性はモチロン、男性が使っても面白いスペックだと思います。
さいごに
たまちゃんモデル、いかがでしたか?
スペックもデザインも、女性目線で設計されているので、よくあるエギングロッドの規格とは少し違って面白いですね。
ステップアップを目指す女性アングラーの相棒として活躍してくれそうです。
秋イカ~春イカまで幅広く対応してくれる懐の広さを備えていそうなロッドではないでしょうか!