【タモジョイント選びの基本】ランディングネットをコンパクトに。メジャーな商品のスペックを比較

ランディングネットを折りたたんでコンパクトにしてくれるタモジョイントですが、近年、様々なメーカーから多種多様な製品が販売されています。

今回、主にはこれからタモジョイントを手に入れようとしている方のために、知っておきたい基本的な知識と、メジャーな商品のスペックをリサーチしてみました。

ホームページなどで公表されていないこと、数値なども極力メーカーなど関係者に取材していますのでご安心ください。

産地や自重なども調べているので、買い換え、追加を予定している人も参考になるかもしれません。

タモジョイントについて

具体的な商品のご紹介に移る前に、まずはタモジョイントについて知っておくべき知識をまとめておこうと思います。

素材

ほとんどのタモジョイントが、以下の素材でできています。

アルミ
ステンレス
樹脂系(強化プラスチックなど)

 

タモジョイントに求められる主な要素で序列をつけるとこうなります。
(厳密に言うと、合金であればその素材・比率等によって変わってくるので、あくまで目安です)

■耐食性
樹脂>ステンレス>アルミ

■軽さ
樹脂>アルミ>ステンレス

■強度
ステンレス>アルミ>樹脂

 

樹脂系は錆びないことに加えて、軽さでも優秀ですが、強度面で金属に劣ります。

タモジョイントに樹脂系を採用している場合は、強化樹脂といって、何かしら別の素材を組み合わせて強化されていると考えてください。

ステンレスは金属としては非常に錆びにくく強度も高いのが特徴で、ロッドのガイドにも採用されますよね。

もっと錆びないのはチタンで、海水ではほぼ錆びないうえに軽量ですが、かなり高コストになります。

タモジョイントに採用するのはあまり現実的ではないというのが実態でしょう。

アルミはある程度の耐食性を持ちつつ、軽さと強度も兼ね備えた素材です。

加工しやすいという特徴もあり、リールのギアやボディにも採用されていますよね。

強度を主として求めながら軽さもほしい…というケースではアルミが採用されるケースが多いです。

ちなみに余談ですが、軽さを優先しながら強度もほしい…というケースではマグネシウムが採用されるのは、リールに詳しい方ならすぐ理解できるかと思います。

ただ、マグネシウムも高級金属ですし、耐食性はアルミに劣るので、タモジョイントの素材としては需要が少ないと考えられます。

 

ちなみに…ですが、素材、とりわけ金属について言えるのは、アルミ…ステンレス…などと一言で言ってしまうと全て同じように捉えてしまいがちですが、その中身のクオリティにも違いがあることは知っておいて損はありません。

素材はどこの国で造られたものなのか?例えば金属の純度や配合によって、強度などに大きく影響します。

単純な加工精度のレベルの違いもあります。

せめてシンプルに、メイドインジャパンかそれ以外か

それだけ把握しておくだけでも信頼感に違いがあることは容易に想像してもらえることと思います。

ネジ径

JIS規格のW1/2が主流で、ほとんどのジョイントはこのサイズになっているはずなのですが、まれに異なるものもあります。

購入前にシャフト、ネット側のネジ径を確実にチェックしておきましょう。

ロック機能

折りたたんでいる時に、ネットがブラブラしないようにロック機能がついているケースが多いです。

基本的にロック自体は簡単な動作で解除できますが、如何せんファイト中に解除する必要があるので、慣れていないとスムーズにいかないこともあります。

かと言って、ロック機能がないと歩いたりジャンプしたりするたびにブラブラするのは意外とストレスに感じるものです。

これは好みの世界にもなってくるのですが、個人的にはロック機能がついているほうがいいと思います。

どのメーカーのジョイントを使うのかにもよりますが、基本的には解除方法はシンプルですから、しっかり慣れることが大切と思います。

商品紹介

メジャーなジョイントをご紹介していきます。

ジョイントで検索するとパッと見つかるメーカーは、ほぼ抑えてあるはずなので、この中から好みのものを選べばいいかと思います。

なお、ジョイントは、構造的に無理な力がかかると壊れやすい形状をしていますから、Amazonなどのレビューで壊れるなどというコメントが少しあったくらいなら神経質になりすぎる必要はありませんが、そういう声が多いものはそれ相応に造りが弱いところや製品ムラのある可能性がそれなりにあるということです。

ざっくりの実売価格も調べて記載しますので、総合的評価をしながら選択してください。(価格は当記事作成段階における筆者Amazon調べ)

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昌栄 フレックスアームVer.Ⅱ

自重:ロックタイプ89g/ノーマルタイプ90g
素材:カラー部分がアルミ、それ以外がステンレス
ネジ規格:W1/2
原産国:日本

昌栄はメイドインジャパンの高い品質が強みで、タモジョイントの王道と言えるかもしれません。

実売価格は最低価格で3,587円という商品がありましたが、ざっくり4,000円前後といったところです。

価格が割高なのは国産品質にこだわるからこそで、他社製品との価格差は仕方ありません。

アルミやステンレスも国内のものを使っていますし、もちろん、加工精度にもかなり高い定評があります。

実は昌栄のタモジョイントを除くと、その他メーカーのタモジョイントはほとんどが海外製造です。

昌栄さんの担当者とお話ししたこともありますが、自社製品のクオリティには大きな自信を持っておられます。

ユーザーの声にもその高品質を評価する声が多く、ランディングにこだわるアングラーのファーストチョイスではないでしょうか?

特にメーカーに好みやこだわりがないなら、昌栄のジョイントを使うことをおすすめします。

ダイワ FLジョイント

自重:105g
素材:カラー部分がアルミ、それ以外がステンレス
ネジ規格:W1/2
原産国:中国

ダイワからもタモジョイントがラインナップされています。

実売価格は最低価格で2,772円という商品がありましたが、ざっくり3,000円前後といったところです。

肉厚な造りでやや重めですね。

堅牢性は高いレベルにあると思います。

中国製ではありますが、ダイワという大手ブランドの安心感もあります。

ダイワ好きの方なら、これを選ぶのもありですね。

メジャークラフト ランディングアーム

自重:105g
素材:カラー部分がアルミ、それ以外がステンレス
ネジ規格:W1/2
原産国:中国

メジャークラフトからもタモジョイントがラインナップされています。

実売価格はざっくり3,300円といったところ。

これも105gと重めの部類です。

中国産ですが、ユーザーの声としては好意的なレビューが多いように思います。

若干、ロック解除の構造上のトラブル事例なども目にするのは気になるところですが、そこまで神経質になる必要はないのではないでしょうか。

シャフトやネットと合わせてメジャークラフト製で揃えるのもいいかもしれません。

アルファタックル ランディングギアジョイント

自重:85g
素材:カラー部分がアルミ、それ以外がステンレス
ネジ規格:W1/2
原産国:中国

アルファタックルは多数ランディング関連ツールを展開していて、タモジョイントもラインナップされています。

実売価格は最低価格で2,336円というものがありました。この価格で手に入ればかなりお手頃価格ですね。ちなみに次位は2,830円でした。

自重は公表されていませんが、アルファタックルさんに聞いて、その場で実際に計量してもらっています(笑)

85gというのはかなり軽量ですね。

多少誤差はあるかもしれませんが、その点ご了承ください。

個人的にアルファタックルの製品は高く評価しているのですが、中国製とは言えこのジョイントもユーザーからの評判は良いです。

ロックはそれなりにしっかり目にかかるイメージです。

SANLIKE タモジョイント

自重:76g
素材:アルミメイン、一部ステンレス?
ネジ規格:W1/2
原産国:中国

サンライクは中国のメーカーで、ランディング関連ツールを多数日本でも販売しています。

実売で2,188円という商品がありました。かなりお求めやすいですね。

ネット販売で主に流通しているようで、AmazonとYahoo!ショッピングが中心です。

かなり軽量なのはほぼアルミで成型されているからだと予想します。

見た目の質感的に、おそらくネジ部分だけステンレスで、その他ほとんどはアルミのはず。

中国のメーカーなので、取材することが難しく…ご容赦ください。

この価格ですから、購入する人も多いようでレビューはたくさん読めます。

見た目でも分かりますが、ロックのバネがもろに見えている構造になっているので、残念ながらそこが取れたり錆びたり…というリスクはついて回ります。

あとは細いL字部分の強度を心配する声もありますね。個人的にもそこは不安なので、ビッグフィッシュを狙う釣りに使うのは心配です。

プロックス タモジョイント

自重:75g
素材:GFRP(ガラス繊維強化プラスチック)
ネジ規格:W1/2
原産国:日本

プロックスはやや低価格のコスパの高い釣り関連製品を扱うメーカーで、かなり幅広いジャンルを品揃えしています。

実売で2,437円という商品がありました。次位は2,899円です。

大きな特徴はGFRPをメインの素材として採用していることですね。

これによってわずかに使用している金属パーツ以外は錆びるという心配がありません。

また、75gと非常に軽いこともメリットですね。

懸念ポイントは、構造上、開閉動作時に指をはさむ可能性がある、ということと、ボルトパーツが外れて落ちる可能性があるという報告が散見される点でしょうか。

個人的には、せっかく樹脂にしたんだからもう少し価格が安ければ、もっと人気タモジョイントになっただろうな…と思います。

ベルモント 玉柄用ラック式ジョイント

自重:80g
素材:ラック部がステンレス、ネジ部がアルミ
ネジ規格:W1/2
原産国:日本

それほど知られていませんが、地味にベルモントもタモジョイントを取り扱っています。

しかも国産ということで期待したいのですが、形状を見てもらえば分かる通り、少し特殊なタモジョイントになっています。

最大の特徴は、ネットを任意の角度で固定できる点です。

この点で、高所からのランディングではすくいやすさという点で差別化できます。

ただし、強度に多少不安があるので、ビッグフィッシュをすくうときにはシャフトと並行の角度にして、海面と垂直に近い角度で引き上げないと折れるリスクが高まるように感じます。

あと、使用時に都度ネットの角度を固定する必要があるので、ランガンスタイルには向かない点もチェックポイントです。

さいごに

タモジョイントはほとんどのメーカーが海外で生産しているという事実があります。

基本的に、まずは昌栄のフレックスアームにするか、それ以外にするか…という考え方が最初の選択になるのではないかと思います。

もちろん、フレックスアームの信頼度が高いことは間違いありませんが、フレックスアームが絶対に誰にとっても最高のタモジョイントという訳でもありませんから、価格・デザイン・メーカーの好みなどなどの要素も含めて、総合的に納得できるものを選びたいですね。

今回の記事がタモジョイント選びでお悩みの方の一助になれば幸いです。

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